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第百三十二回 共産党の綱紀粛正-"求真務実"
2004年2月12日、元安徽省副省長王懐忠が汚職の罪で死刑に処せられました。省長クラス以上では改革開放が始まって以来3人目。前後16回にわたり受け取った賄賂は人民元分だけでも230万元に上り、子供たちへ送られたお年玉は数万元、義父の病気見舞金も数十万元に達したそうです。
このような風潮はまさに氷山の一角。2004年1月11日に中央規律検査委員会第3回全 体会議で呉官正同常務委員会書記が行った報告によれば、2002年12月〜2003年11月の1年間で、幹部の規律違反は172,649件、党籍を剥奪され送検されたものは8691人を数えました。また、綱紀粛正であぶりだされた不必要な海外旅行団は4015組、自動車の過剰配備8871台、住宅の取得違反は26,714軒(追徴金6億8千万元)…。
経済発展に伴う汚職の蔓延と、それに対する庶民の反発は共産党にとって党の将来に関わる大問題になっています。そこで党中央は、2001年・2002年・2003年の3回に分け、中央・地方の国家・党各機関にプロジェクトチ−ムを派遣、大規模に直接取材・ 座談会・アンケ−ト調査などを行い、その結果に基づき、様々な改革に着手しました。
その集大成が、1990年の13期6中全会で構想されて以来13年を経て、2003年12月31日 に党内に公布された<党内監督条例(試行)>と<党紀律処分条例>(97年に出され た<党紀律処分条例(試行)>に手を加えたもの)です。18日付けの人民日報は<党 内監督条例>の要点として、①重要な課題・人事などは会議によって集団で決定する という党内民主 ②外部からの監督も含めた10種類の監督制度 ③中央政治局も中央 委員会の監督を受ける、党員が党規に基づいて不適格幹部の罷免などを要求する、と いった本格的な党内監督 ④"一把手"(各部署、行政機関の最高権力者)を監督の重点に置く ⑤監督者を弾圧から守り、被監督者には異議申し立ての権利を認める、など8つの点を挙げました。
2004年2月13日の同紙にこんな投書が掲載されました。
「テレビドラマ<公民良心>で党幹部が自分たちを"父母官"と呼んでいるが、社会の主人は公民で、党幹部は人民に奉仕する公僕だ。封建的発想は排除すべきで、主僕関係を転倒してはならない。」