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 第百三十七回 中国物流新時代


ここ数年、中国の物流発展は目覚しく、既に"中遠・中外運・中儲・中海"等の大企業が姿を現し、全国の物流企業総数は70万社に達しています。しかし、年20〜30%の 急成長を遂げるこの業界も、2003年に中国倉儲協会が大企業450社に対して行った調査 では3PL(独立運送会社)への委託率は僅か5.2%と不人気で、その業務内容が現代のニ-ズに合った総合的な物流サ-ビスには程遠い弱点をさらけ出しています。
例えば全国の倉庫は流通領域だけで3億㎡に達していますが、管理能力と配送機能に欠けるため利用率は40%弱、しかも在庫期間が先進国の数日間に対し1〜2ヶ月と、商品 の生産から販売に要する時間の90%以上を占めています。このため、多くの企業で物流費用が商品価格の40%を超え、対GDPコスト比率も先進国とはまだ大きな開きが あります。
政府は、第10次5ヵ年計画で専門プロジェクトを立ち上げ、物流発展の戦略的研究を進 め、基準の制定、主要技術の研究と応用、技術サ-ビスシステムの構築に取り組んでいます。また、2003年9月には中国交通企業物流管理委員会を設立して全国規模の輸送力 発展を図る体制を整え、更に物流関係の人材不足を解決するため、2003年11月から全 国50箇所あまりの高等教育機関と連携して"物流師国家資格認証"制度をスタ-トさせました。
昨年末、日本の主な運送業者がほぼ中国への進出を果たしましたが、交通インフラが整備され全国的な物流網が姿を見せる中、外資に負けじと総合物流企業へ脱皮しよう とする中国企業も現れています。2003年8月、華為社に依頼しコンピュータによる新全国総合管理ネットワ−クを構築した中国最大の物流会社中国外運グル-プはその一例でしょう。また12月には、中国物資儲運に続き5社が<中国物流実験基地>に指定されました。地元企業のネットワ-クを生かし実力のある外資と提携を図る動きも急で、中国国内の物流をめぐる企業間の合従連衡が激化しています。
物流網の整備は流通業の発展も促します。2003年の全国30チェ-ン企業の販売総額は前年比30%増の2千7百億元あまりを記録しました。2007年には沿海部の中・大型企業でほぼPOS、MISシステムが構築され、チェ-ン企業が社会消費小売額に占める割合も10%に達すると予測されています。

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