企業向け中国語研修をリードするGLOVA China

ビジネスコラム|現代中国放大鏡

トップ > 現代中国放大鏡

Last Update:

 第十五回  科教興国

昨年2月27日、北京展覧館で"国家863計画15周年成果展示会"が開催されました。
1986年3月に4人の科学者が鄧小平に手紙を書き、今、ハイテク研究に着手しなかったら、完全に世界から取り残されてしまうことを訴えました。これがきっかけで始まった<ハイテク研究発展計画>は、863計画と名づけられましたが、その後15年を経て、目覚しい成果を上げるに至りました。
国内外で得た特許は、エネルギ−、新素材、海洋の6つの領域だけで2000件以上、発表された論文は4万7千篇を超えました。また、優秀な研究者も続々と輩出し、そのうち30%以上が45才以下で、70%を留学帰国者が占めています。
世界の先端レベルと肩をならべる研究も目につくようになりました。ロボットを使った遠隔操作による脳外科手術、有人ロケット打ち上げを視野に入れた無人ロケット<神舟2号>の打ち上げ成功などは、国外からも注目されました。
更に、遺伝子の構造解明や、穀類を中心とした様々な新品種のバイオ技術による開発も去年から今年にかけ着々と成果を上げています。
IT関連では、サ−バ−やCPUといった部品の自力開発に成功、また、原子炉の主要部分の国産化に向けた技術開発も大きく前進しています。
政府は、昨年から、毎年5月の第3週を"科学技術活動ウイ−ク"とすることを決め、併せて、第10次5カ年計画の一環として、<国家大学科学技術園第10次5ヶ年計画発展計画綱要>を公布しました。更に、この12月には国家計画委員会と科学技術部が共同で<当面、優先して発展させるハイテク産業化重点領域指南(2001年度版)>を発表、情報、生物と医薬、新型素材、先端製造技術、先進的エネルギ−、環境保護、資源の総合利用、航空宇宙、近代的農業、近代的交通など、10大産業に関わる141のハイテク産業化重点領域を指定しました。
これを支援する形で、<国家自然科学基金>も毎年、4500項目の研究に対し、それぞれ30万元ずつ援助することを決定しました。
今、中国で最もよく耳にする言葉、それは"科教興国"(科学と教育で国を興そう)。

三瀦先生のコラム