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 第百五十三回 生活消費の動向


2002年にエンゲル係数が都市部で37.7%、農村部で46.2%と、共に50%を下回った中国。消費の多様化が進み、2003年、家電の生産量で、洗濯機1587万台・冷蔵庫1599万台を上回って、炊飯器が2109万台、電子レンジが2271万台、エアコンに至っては3135万台も生産され、庶民のニーズが次々と新しい家電消費を生んでいることを裏付けました。更に新しい消費アイテムとして、自動車、住宅、観光消費なども注目されています。
自動車を例に取ると、2003年に発表された貯蓄の主要目的では、教育費が20.4%とひときわ目につきましたが、マイカーの購入も4.1%を占めています。同年の都市住民支出項目(複数選択)で自動車は、①日常品73.8% ②飲食物56.8% ③副食品39.8%の上位3位や4位の住居関係29.5%に比べまだ2%と僅かですが、それでも6位に躍進し、一戸当たりのマイカー平均保有台数を見ても、北京では既に0.3台(東京:1.5〜1.8台)に達し、マイカーブーム到来の予兆を感じさせます。
国民一人当たりのGDPが1000ドル(先進地域では3000ドル)を突破した中国で、現在、都市住民の七大関心事は[娯楽・情報・交通手段・ファッション・健康スポーツ・健康食品・投資活動]。サービス消費が急増し始め、教育(57.3%)、医療(38.2%)通信(36.4%)に続き、文化健康(20.1%)観光(18.4%)が4位と5位を占めています。今のところ需要に供給が追いつかず、文化消費の供給不足額は3000億〜4000億元との数字も。
一方で、農村には、まだ、根本的な問題が存在しています。商務部の<2004年消費品市場発展趨勢報告>に拠れば、国内の消費品の小売総額は5兆元を突破し、都市部では10.6%増、農村部でも8%増が見込まれていますが、都市と農村では基数が違うので格差は更に広がり、農村一人当たりの消費は都市部に比べて半分にも達しません。命に関わる医療関係でさえまだ極めて不十分で、人口の僅か30%の都市人口が国内95%の医薬品を消費し、農民は医薬消費の対象にさえなっていません。
最近、中国の隅々の農村まで、自動車道路・電気・電話を通すプロジェクトが、精力的に進められ、農村向けスーパーチェーンの進出も始まりました。いよいよ農村市場が動き出します。13億の市場がいよいよその巨大な姿を本当に現し始めたと言えましょう。

三瀦先生のコラム