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第169回 巨大経済圏と港湾整備−その2−
まず、東北再開発と環渤海湾経済圏の玄関口を兼ねている大連港。その発展振りは目覚しく、2003年末、大連北良港にアジア最大の食糧専用埠頭と専用鉄道施設が完成、2004年4月からはハルビン−北良港間を毎日43両、年間輸送量100万トンの専用列車が運行し始めました。また、30万トン級の原油埠頭や25万トン級の鉱石埠頭も完成、同年7月には夏徳仁大連市長が、2010年までに300億元を投じコンテナ用バース第2・3期工事を完成させ、更に中国最大の自動車物流埠頭の建設にも着工することを宣言しました。2003年に、「270億元あまりを投じて2010年までに東北アジア最大のコンテナ港、国際的な物流と資源配置のハブとなり、世界の港湾ベストテン入りを目指す」とぶち上げたのは天津港。2004年には国内エネルギー輸送の大手、神華グループと合弁で、年間呑吐能力3000万トンの石炭用大型埠頭を建設することで合意しました。華北、西北地域の海への主要な出口として、天津港の重要性も日増しに高まっています。
2004年末に年間呑吐量1億6千万トンを突破したのは青島港。2003年にイギリスのブレア首相出席の下、青島港は人民大会堂で中国・イギリス・デンマークの三大海運会社と年間呑吐能力650万箱を越える巨大バース建設について調印を行いましたが、2004年のコンテナ取扱量は早くも500万箱を突破し1995年に設定された2020年達成目標を16年も早くクリア、世界最大級の化学工業液体用輸送船が接岸でき、50種類以上の液体化学製品の貯蔵が可能な施設も建設され、鉄鉱石や紙パルプの取扱量でも世界一になりました。
中国最大の港、 上海港。T字型(長江経済ベルト地帯と東部沿海地域)発展の要となる上海港の最大の弱点は水深が浅いこと。この問題を解決すべく、2002年に対岸の浙江省洋山諸島に新しい港、洋山港の建設が始まりました。2005年にはその一期工事が完成しますが、50本のバースの完成が上海の更なる発展の起爆剤になることは疑いありません。
わずか10年で寒村から一大港湾都市にのし上がった広西チュワン族自治区の防城市。2002年には早くも年間呑吐量が1000万トンを突破、2004年だけでも33の重要建設プロジェクトが進行中で、中国大西南地域の海への出口として、また最近注目されているアセアンとのFTAへの橋頭堡として、その果たす役割が俄然注目されています。