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 第181回 中部地区の勃興

2005年3月31日から人民日報で “中部崛起”の連載が始まりました。ここで言う中部地区とは安徽・江西・湖南・湖北・河南・山西の6省を指しますが、この地域は全国有数の穀物生産地区であると同時に鉱物資源も豊富で、また交通面から見ても主要な鉄道・高速道路が縦横に走り、全国物流の中枢となっています。中部地区の利点は“東引西進”・“承東啓西”、つまり先進地域の東部と後進地域の西部の発展を繋ぐ立場にあることで、同じ中部地区の江西省と安徽省は既に東部の力を借りて急速に発展し始めています。
このコラムでは6省中の河南省を例に挙げて見てみましょう。1億近い人口、7千万もの農民を抱える河南省は2003年7月に“工業化”“都市化”“農業現代化”の“三化”をスローガンにした<河南省小康社会全面建設計画綱要>を採択し、2020年までに一人当たりのGDP3000ドル突破、第2次・第3次産業の対GDP比90%以上、非農業労働力の労働力に占める割合60%以上、都市部の人口が50%以上、という目標を掲げました。現在、鄭州を中心に洛陽・開封などを含め計9つの都市による“中原都市群経済隆起帯”の形成が進み、鄭州市東北部には鄭東新区の整備が進んでいます。工業の発展で注目されているのが漯河市で、全国最大の食肉加工企業や即席麺生産企業を含む6000社近い食品加工企業が集結しています。食品工業は河南省の代表的産業で全国第4位、小麦の年間加工量は全国トップ、即席麺は全国の4分の一を生産、冷凍食品も国内市場で60%の占有率を誇っています。
この背景には、ここ5年常に4000万トン以上を生産し、全国トップを維持している穀物生産があります。これらの穀物を本に加工業を発達させ、経済発展の梃子(てこ)にしようというわけです。河南省の経済発展の最大のカギは県域経済の発展で、その担い手は民間の非公有制企業。省経済に占める県域経済の割合は既に70%に迫り、非公有制企業による税収が税収の60〜70%、更には90%に達する県も出現しているのです。
国有企業から民営に転換した宇通バス製造会社は、2003年には販売額が43億元に迫り、市場占有率が21%と国内の業界で首位に立っていますが、こういった産業の発展を支えるべく、登封電力発電所2号機の投入などで電力の確保したり、発展の足を引っ張る環境汚染企業を2年間で2000社閉鎖に追い込むなどの努力も行われています。

三瀦先生のコラム