企業向け中国語研修をリードするGLOVA China

ビジネスコラム|現代中国放大鏡

トップ > 現代中国放大鏡

Last Update:

 第182回 アセアンとの関係−進むFTA−

中国とアセアンの貿易額は1995年から年平均15%の勢いで拡大、2003年には42.8%増、782.52億ドルとなり、雲南省からメコン河を下る貨物輸送量も23万5千トンに達し、タイ北部の港チェンセーンはこれまでにない活況を呈し始めました。
こうした情勢をバックに、2002年、中国とアセアンのFTA交渉が始まりました。同年11月には経済協力の枠組みで合意に達し、2003年10月1日、中タイ両国は野菜・果物のゼロ関税を実施、2004年1月には中国−アセアンFTA“先取り”計画がスタートし、農産物を中心とした500品目あまりの商品の関税が引き下げられ、アセアン各国の輸出額が急増しました。同時にアセアン諸国と中国(“10+1”)のFTA設立に関する貿易交渉が合意したことにより、2010年には、18億の消費者を抱え、GDPが1兆2千億ドルに達する巨大な経済区が誕生することが現実味を増してきました。
続いて2004年6月に青島で開催された“10+1”の非公式外相会談では、農業・情報通信技術・人的資源開発・メコン河開発など計5つの領域における全面協力の枠組み設定で合意し、11月にビエンチャンで開催された第8回アセアン−中国首脳会議で、<中国−アセアンの平和と繁栄に向けた戦略的パートナーシップを実行する行動計画>が発表されました。また、懸案の<貨物貿易合意>と<紛争解決メカニズム合意>にも調印し、これによって、2005年からFTAに向けた段階的関税引き下げがスタートし、2010年にはほぼゼロ関税が達成されることになりました。また、交通インフラ面では、2002年以来の成果(昆明−バンコク自動車道路ラオス区間の着工・メコン河航路改善工事の竣工など)を踏まえ、<中国−アセアン交通協力備忘録>を交わして交通面での今後の中長期目標を定め、更にメコン河流域5カ国と情報ハイウエー建設推進に関する覚書も取り交わされました。
2004年11月3〜6日、広西チワン族自治区の省都南寧で、第1回中国−アセアン博覧会が開催され、各国から1505社が出展しました。中国側の力の入れようは大変なものでしたが、その成果については、なお今後の推移を見守る必要がありそうです。
2004年、中国−アセアンの貿易額は遂に1千億ドルを突破、アセアンは中国第5の貿易相手になりました。

三瀦先生のコラム