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 第192回 中露関係−その2−東北地区とロシア

中露経済関係で大きな比重を占める東北地方。東シベリア油送管敷設計画で、中国の大慶へ向かうルートと沿海州にあるナホトカ近くのペレボズナヤまでのルートのどちらを優先するかが注目されていました。しかし、最近の報道でロシア側は、「日本への供給は新たな油田が発見されなければ無理で、当面は中国へのルートを優先し、将来的に年間2000万トン供給を目指す」と発表、日本側の敗北が決定的になりました。この間、中国側がロシアに対し、猛烈な外交攻勢をかけたことは言うまでもありません。
石油以外の面でも東北地域における中露間の交流と協力には多様性・活性化両面で着実な進展が見られます。2004年2月、黒龍江省遜克に第4の中露自由貿易区設立が認可され、同年4月には黒河・綏芬河に次ぐ3つ目の中露自由貿易区、牡丹江市の東寧の中露商品取引センター第一期工事が完成しました。更に黒河は、2005年5月、70億元を投じて266.5haの国境貿易港建設を始めると発表、虎林市も、両国の民間企業出資で、国境を跨る全長56キロの鉄道の建設を6月から着工する、と表明しました。
やはり同月、ハルビン市はロシアとの貿易や科学技術協力を一層推進すべく、電子情報・機械光学電気関係、バイオ・宇宙事業などを重点とした<対露協力ハルビン産業パーク>を建設する計画を公表しました。そこには、国内投資家に対露事業投資のための有力な場を提供しよう、という意図が明確に示されています。
農業面でも新しい試みが始まっています。2004年11月28日付の人民日報は、牡丹江市東寧県三岔口鎮がロシア領内の土地60haを借り受け、500名あまりの中国農民がこれを耕作して1500万元(一人当たり1.2万元)の収入をあげた記事を掲載しました。ロシアでは2004年から法律で、最長49年間の他国民による借地が可能になったのです。同記事によれば、ロシアで農業生産に従事している中国農民は既に7000人近くに達し、総収入は2億元を突破しているとのことです。
2004年6月、ハルビンで第15回中国ハルビン経済貿易相談会が開催されました。展示ブースは2000と過去と比べ倍増、同時にロシア専門パビリオンが初めて設けられて、ロシアからは19の州が参加しました。

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