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第226回 新段階に突入した道路整備
(2006年4月17日執筆)
中国の自動車道路整備は最近目覚しい発展振りで、2004年12月17日には<国家高速道路網計画>が承認され、人民日報(2005.1.14)はその要点を以下のように報じました。
- ①今後30年間かけて8.5万キロの国家高速道路網を建設する(現時点で完成済み2.9万キロ、建設中1.6万キロ、建設予定4万キロ)。
- ②この道路網は“7918網”と呼ばれ、7本の首都放射線(北京からそれぞれ上海・台北・香港と澳門・昆明・ラサ・ウルムチ・ハルビンを結ぶ)と南北の縦線9本、18本の東西横線を含む。
- ③2007年には国道主要幹線システム“五縦八横”の高速道路部分が完成、プラン達成時には、高速道路へのアクセス平均時間は東部で30分、中部で1時間、西部で2時間になる。
既に沿線各省からは関連担当部分開通のニュースが続々と飛び込み、2005年12月には“五縦”の一つ“西南出海大通道”(重慶市から貴州省を貫き広西チュワン族自治区に至る全長1314キロ)が全線開通しました。
もう一つ注目されるのが農村用自動車道路の建設。“十五”期間中、全ての農村に自動車道路を、という“村村通”政策が推進され、全国の郷鎮と行政村の自動車開通率は99.8%・94.5%、公共バス開通率は98%・81%に達しました。例えば山東省は2004年に14780の村に33915キロの自動車道路を建設、その結果、農業副産物の流通・交易が活発化し、多くの投資も呼び込み、600余の農村の余剰労働力の転換に成功しました。政府は更に“十一五”期間に30万キロ余りの県・郷自動車道路を建設、120万キロを改造して95%の郷鎮と80%の行政村にアスファルトやコンクリートの道路を通す目標を立てています。
ただ、一方で問題なのが工事の質の悪さと杜撰な維持管理による劣化の速さ。全国290万キロの農村自動車道路のうちまともに管理されているのはなんと30%だけ。そこで政府は2005年9月に<農村自動車道路維持管理体制改革方案>を発布、各行政レベルの役割と責任を明確にし、道路1kmあたりの年間維持管理最低額を県道7000元・郷道3500元・村道1000元と規定し、また、維持管理の市場化へ向けて公開入札制度導入の動きも見せています。既に2005年7月に河南省で民間企業がBOT方式で焦温高速道路を開通させており、民間企業の道路事業への参入は今後盛んになることでしょう。