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 第二十三回  青蔵鉄道の建設

(2002年3月11日執筆)
2002年11月、加筆修正いたしました。

完成すればチベットから北京までが48時間の旅になるという青蔵鉄道の建設が始まって8ヶ月が経ちました。最も標高が高い休冬曲付近で海抜5072メ−トル、ほとんどが4000メ−トル以上というこの高原鉄道の工期は6年、10億元を投入した1期工事が既に完成し、現在、第2期工事に突入しています。今年の11月に望昆まで、2006年11月にはラサまでレ−ルが敷かれる予定です。
青蔵鉄道の建設は高地と永久凍土との苦闘の連続です。一期工事中に高山病の症状に見舞われた者延べ2万4千人、うち50名が生命の危険に見舞われたほどです。永久凍土については工事方法の研究が精力的に進められ、一応の目処がついてきました。
厳しい工事の中、生態の保護にも極力注意が払われています。貴重な自然が存在する地域は極力回避し、野生動物の通路の確保や、植生の移植、再生にも取り組んでいます。
中国は21世紀における経済発展のための土台作りとして交通輸送網の建設を最重点項目に掲げ、急速にその整備を進めています。現在の鉄道営業キロ数は既に世界第三位ですが、第10次5ヶ年計画終了時の2005年には7万5千キロにも達する見込みです。
“八縦八横”と言われる主要鉄道網は全国旅客貨物輸送の80%を占めていますが、これら重要幹線の更なる強化も焦眉の急。これらのル−トでは、電化、複線化、複々線化、スピ−ドアップ、高速鉄道の建設などが精力的に進められ、主要都市を結ぶ鉄道のスピ−ドアップでは“500公里朝発夕帰、1500公里朝発夕帰至、2500公里一日抵達”をスロ−ガンに、平均時速120キロの実現が目標に掲げられています。
その一方で、チベットのような立ち後れた地域の交通網整備も最重点項目になっています。チベットでは青蔵鉄道の他に100億元を投入して、青蔵自動車道路など3縦2横6ル−トと呼ばれる自動車道路網の建設が進んでおり、また現在、ラサなど2ヶ所しかない飛行場の増設や拡充工事も進捗中です。
昨年12月29日、青蔵鉄道着工記念切手が発行されました。一枚8元のこの切手には青蔵鉄道の示意図やポタラ宮が描かれています。6年後の青蔵鉄道の完成がチベットに対する支配の強化ではなく、住民たちに本当の幸いをもたらすことを祈りたいものです

三瀦先生のコラム