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第236回 考古学上の重大発見−この1年−
(2006年7月3日)
中国は相変わらず考古学の発見ラッシュです。ここ1年余りを振り返ってみましょう。
鳥類の起源が小型恐竜か論争が盛んになっていますが、2005年3月、中国地質学院は、河北省豊寧の晩中生代から、ドイツで発見された始祖鳥より更に古い、華美金鳳鳥と名づけられた世界最古の鳥類の化石を発見した、と発表しました。体長54.8cmのこの鳥は、全身羽毛で覆われ、18本の歯を持っています。
広西チュワン族自治区の百色からは、30数年前に発見された手斧が年代測定の結果、80万年以上も前のものと判明、これまでの、東アジアでは長い間簡単な打製石器しか使われていなかった、という学界の定説を覆えすことになりました。寧夏回族自治区中衛市の大麦地岩壁画では、甲骨文字やエジプトの象形文字より数千年古いとされる古文字が発見されました。3172組の画の符号から、単一記号が組み合わさった複合的な符号が発見され、それが漢字の象形文字の字体とよく似ていることもわかりました。
浙江省上山遺跡で発見された1万年前の一粒のコメ。あの河姆渡遺跡をさらに3000年遡ったわけです。同省の別の遺跡では8000年前の家畜用ブタの骨も発見されました。
古代の大型遺跡も続々発見されています。2005年3月、江蘇省邳州市の梁王城遺跡が春秋戦国時代江蘇北部最大の都市で、5000年にわたる4〜5mの文化層が堆積している事が判明しました。陝西省韓城市の周代の高級貴族墓群遺跡からは、7000年前の紅山文化の玉猪竜など様々な玉や金、青銅で作られた大量の珍宝が出土し、耳目を驚かせています。
河南省安陽市では、中国のポンペイとも言うべき、黄河の突然の洪水で漢代の農業生活がそっくり封じ込められた三楊庄遺跡が発見されました。陝西省西安市阿房宮遺跡近くでは、陶製の太い管と細い管を交互にはめ込んだ東西78mに及ぶ戦国時代秦国の巨大な排水管が発見され、当時の技術の高さを示しています。
学術的な方面では、漢の武帝に滅ぼされた南越国の王宮役所跡から100枚以上の木簡が発見されました。史記より80年早いこの文書は当時を知る貴重な資料になりそうです。
湖北省長陽土家族自治県の深山幽谷にダムを築いたところ、水中から忽然と現れたのは、あの四川省の楽山大仏の更に3倍という、高さ278mの超巨大大仏!中国は底知れません。