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 第二十五回  中国マイホ−ム事情

中国で、個人によるマイホ−ム購入が急速に増加しています。一昨年、北京市で個人による購入が全体の80%を超え、それまでの比率と大幅な逆転を演じて注目されましたが、昨年上半期、上海では遂に総販売量の95.9%にまで達しました。昨年11月に開かれた<WTOと中国不動産発展戦略検討会>で劉志峰建設部副部長は「今後一定期間は、都市化が急速に進み、国民経済も持続的、安定的に成長する時期であり、住宅産業の潜在需要は極めて大きい」と述べました。
新中国の住宅産業の歴史は、計画経済の下、住宅そのものが福利厚生施設であって、産業とは言えなかった1978年までの時期と、改革開放スタ−ト以降、徐々に住宅が商品として扱われるようになり、1988年の憲法改正案で土地使用権の譲渡が認められるようになった時期、そして、1990年の住宅共同積立金制度の開始と91年の国務院による<住宅制度改革深化に関する決定>をベ−スに92年の不動産業の爆発的発展、98年の福利厚生施設的住宅制度の廃止と<住宅の現金支給化>の実施を見るに至る3段階に分けられます。
WTO加盟後、更なる経済成長を目指す中国にとって、内需振興による成長率の維持は至上の命題です。その点、住宅産業は内装や、家電、家具など関連消費が大量に見込め、最重要項目の1つ。実際、都市住民が新居に入る時に数万元の費用をかけることは珍しくなく、内装市場は急成長で、本屋の棚は関連書籍の山です。
不動産市場を更に活性化させるため、北京では、昨年12月16日から、払い下げを受けて5年に満たない住宅を市場に出すことが自由になりました。転売した差益は税金を除いて本人の所得になります。貴州省で考案された住宅流通促進のための仲介機構「住宅銀行」(金融取引のように住宅を取り引きするための機構)も広がり始め、昨年6月には西安にも誕生しました。住宅を銀行に預け、銀行がその住宅を更に貸し出すか否かに拘わらず、銀行は家主に賃貸料を支払うのです。
一方で福利厚生的側面を加味した<低所得者向け住宅>の充実も図られています。ただ、全国的に広まった住宅共同積み立て金制度にしろ、<低所得者向け住宅>にしろ、かってに金を流用したり、財テクに流用されたり、と是正すべき点も多い、と報告されています。

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