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第256回 エネルギー節約待ったなし−その2−
(2006年12月4日)
2006年6月13〜18日、北京でエネルギー節約環境保護展覧会が開催され、<再生可能エネルギー><建築上・生活上のエネルギー節約><資源の総合利用>といったテーマで展示が行われましたが、まさにエネルギー節約問題は、具体的にどういった成果を挙げるか、がさし迫った問題になってきています。2006年7月26日、国家発展改革委員会はチベットを除く30の省(区・市)の人民政府や14の国有中央企業とエネルギー節約目標責任書に調印し、各地が責任を持って目標達成に取り組むことを求めました。
今注目されているのが山東省の取り組み。山東省は、第11次5カ年計画<綱要>に明示された同期間単位GDPエネルギー消費量削減目標20%に対し、それを上回る22%の目標値を設定、更に達成目標を細分化し、2006・2007年4.5%、2008年4.8%、2009年5%、2010年5.5%の削減目標を定め、同省17の市に対しても、実績に応じた目標値を設定、各行政レベルの業績考課の重要指標に組み入れました。
同月に政府が発表した中国初のエネルギー消費白書によると、優等生は広東省で、経済規模が全国一でありながら、単位GDPあたりのエネルギー消費量は全国平均の65%。その秘訣は、45.4%に達した第3次産業、35%を超えたハイテク産業にあります。ここ3年、広東省は<節約型社会建設と循環経済発展指導班>を結成、“緑色広東”“創新型広東”の建設をスローガンにGDP至上主義を改め、循環経済システムの構築に努力し、固体廃棄物総合利用率を80.31%まで高めました。
上海市は5月に<エネルギー節約事業を一層強化することに関する若干の意見>を採択、市が補助金を出し、第三者(エネルギーサービス会社)による企業診断を行い、それによってシステム的な技術改造を進めることとし、福建省厦門(アモイ)市は、<厦門市居住建築エネルギー節約評定指標体系>を打ち出し、建築物のエネルギー効率評定基準を統一、7項目の指標に基づきA・B・C3ランクに分け、それぞれに異なるきめ細かい削減目標値を設定しました。また、安徽省では33の企業とエネルギー節約の取り決めを交わし、更に自動車燃料の天然ガス化を強力に推進、合肥市では天然ガスタクシーは500台あまり、天然ガスバスも200台を越えています。