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第二十六回 お葬式
今年も、もうすぐ清明節。清明節は24節気の一つで、春分から15日目を言います。今の暦ではほぼ、4月4〜6日の辺り、古くから、お墓参りして死者の霊を弔う習慣が有ります。1976年4月5日の第1回天安門事件は、年初に死去した周恩来を追悼するため、市民が清明節に当たるこの日、天安門広場の人民英雄記念碑の周りに集まったことがきっかけになりました。
中国では、最近、この頃になると決まって、葬式スタイルの改善が叫ばれます。中国では既に1956年に火葬を奨励する方針が打ち出され、東北地方や河北ではほぼ全面的に実施されていますが、全国平均はまだ、46%と半分にもなっていません。南部に行けば行くほど、土葬の習慣が根強く、また、中西部地区でも20%未満にとどまっています。
土葬は毎年、8万ム−の貴重な耕地を侵食し、500万立方メ−トルの木材を浪費しています。1994年1年で、墓地造成のため4000ム−の土地を失った浙江省では、その後、火葬の普及に力を入れ、当時26%だった普及率が2000年には82.25%に達しました。
政府は第9次5カ年計画期間中に<葬儀管理条例>を出し、また、各地に火葬場、共同墓地、骨灰記念堂などを設けて改善に取り組んでいますが、地域によって差が激しく、全国1363ヶ所といわれる葬儀場も、西部地区には数えるほどしかなく、これでは火葬の普及もおぼつきません。
また、火葬が普及してもすぐ問題解決とはなりません。骨灰を納めるため、各人が自前のお墓を作れば、土地が失われるのは同じことです。そこで最近では、新しい葬儀スタイルが登場しています。昨年4月5日、北京の通州区のある村では、村民たちが樹葬林へ出かけ、故人の骨灰を埋めた木々に水をやり、肥料を施し、故人を悼みました。また、広東省の大鵬湾では8000人の骨灰を海に撒く式典が行われました。
"網同紀念網站"(www.notor.com)は現在、中国最大のネット記念センタ−。インタネット上で故人を悼み、お墓参りをするやり方は日本でも行なわれていますが、これなどは、まさに場所を取らない究極の方法と言えましょう。