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第262回 観光マナー論議−その1−
(2007年1月22日)
日本関係記事で多かったのが日本の科学技術や環境への取り組みを紹介する記事で、政治分野の交流に話が進む前の第一四半期に特に目立ちました。
北京オリンピックでの中国人のエチケットに対する懸念が高まっていますが、年々拡大する国内国外旅行におけるモラルの問題は既に現実の問題として物議を醸しています。2006年10月の国慶節長期休暇に際し、9/28付人民日報に『ゴールデンウイークは観光エチケットのテストウイーク』(華東師範大学馮学鋼教授)という一文が掲載されましたが、これと相前後し10/2日、中央宣伝部中央精神文明建設指導委員会弁公室(略称:中央文明弁)と国家観光局から、<中国国民出国マナー指南><中国国民国内旅行マナー規約>が打ち出されました。前者は伝統的な4字句で構成され、口ずさみやすくできていますので、まずその原文と日訳をご紹介しましょう。中国公民,出境旅游,注重礼儀,保持尊厳。
中国の国民は、海外旅行で、礼節をわきまえ、プライドを忘れずに。講究衛生,愛護環境;衣着得体,請勿喧嘩。
衛生を重んじ、環境を大切に;身だしなみを整え、大声は出さない。尊老愛幼,助人為楽;女子優先,礼貌謙譲。
老幼に配慮し、進んで人を助け;女性を先にし、譲り合いの精神で。出行弁事,遵守時間;排隊有序,不越黄線。
海外での行動は時間を遵守し;順序良く並んで、ラインを超えない。文明住宿,不損用品;安静用餐,請勿浪費。
行儀良く宿泊し、備品は傷つけない;食事は静かに、浪費は避ける。健康娯楽,有益身心;賭博色情,堅決拒絶。
健全な娯楽は心身をリフレッシュ;賭け事・風俗は断固拒否しよう。参観遊覧,遵守規定;習俗禁忌,切勿冒犯。
観光するには規則を守り、現地の慣わし・タブーに触れないように。遇有疑難,資訊領館;文明出行,一路平安。
困ったときは領事館、マナーを守った海外旅行、全て順調いい旅路。
一見当然のことばかりのようですが、ここに至るまでには様々な論議が。