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第270回 天井知らずの港湾発展−その1−
(2007年3月19日)
従来の<長江デルタ・珠江デルタ・渤海湾三地域沿海港口建設計画>に次ぐ新たなプラン、<全国沿海港口整備計画>が2006年8月16日、国務院で承認されました。
この計画ではまず、5つの大港湾群(環渤海湾・長江デルタ・東南沿海・珠江デルタ・西南沿海)を整備することが掲げられ、中でも環渤海湾・長江デルタ・珠江デルタにはそれぞれ主要港が7個・9個・4個、コンテナ幹線港が3個・3個・2個ずつ設置されました。また、石炭・石油・鉄鉱石・コンテナ・食糧など8大主要貨物輸送システムを構築することとし、さし当たって2010年までに大型で水深が深く効率のよい専用バースを建設して石炭・石油・鉄鉱石・コンテナの4つの輸送システムを整備することが決まり、コンテナ幹線港として大連・天津・青島・上海・蘇州・寧波・厦門・深圳・広州などが、原油や鉄鉱石の船卸し港としては大連・営口・唐山・天津・青島・日照・連雲港・寧波・舟山・泉州・恵州・茂名・湛江・防城港などが名を連ねました。
その数既に150を超える中国の港湾は2001年〜2005年の第10次5カ年計画で飛躍的な発展を遂げました。5年間で1万トン級の船舶が接岸できるバース188本を含む920本もの石炭・石油・鉄鉱石・コンテナ用バースを建設、新たに5.4億トンの呑吐能力を加え、貨物取り扱い量は33.8億トンと全国対外貿易貨物取り扱い量の90%を担い、貨物取り扱い量・コンテナ取扱量ともに世界一になっています。
港別に概観して見ましょう。規模の面から見ると、2006年末、新たに南通・張家港・日照を加えて呑吐量1億トンの大港が遂に10港を数えるに至りました。また、青島2億トン、天津2.5億トン、寧波・広州3億トンとそれぞれ大台を突破、上海港に至っては5億トンを突破し、2位のシンガポールに1億トンもの差をつけ、世界一の座を不動のものにしました。上海港では2005年12月に開港した洋山港がモノを言っています。上海港の水深が浅いという欠点を補うべく建設されたこの深水港は杭州湾上に位置し、既に第一期工事が完成、2006年のコンテナ取扱量は300万ケースを突破しました。計画では、2012年には30本近いバースが完成、コンテナ年間取扱量は1500万ケースに達すると言われています。
次回は、港湾に関連した、より深く突っ込んだ動きをご紹介しましょう。