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第286回 企業の社会的責任と企業文化−その2−
(2007年7月23日)
“万家灯火南網情深”(貴州電網公司)/“誠信為本事在認為”(鶴壁煤業公司) /“真誠開拓事業真情服務社会”(嘉興発電公司) /“聚五羊霊気取本田精髓 創世界一流”(五羊−本田摩托公司)。これらは2006年11月17日付人民日報15面に発表された「2006年度全国企業文化優秀成果」35編の一部で、優秀論文も同時に発表されました。また、第13面では、「調和の道へ—共に享受する精神が中国企業文化建設の新しい流れをリードする」と題して第5回全国企業文化年会の特集ページが組まれました。
2006年は、中国にとって、企業文化と企業の社会的責任(CSR)への取り組みが文字通り真剣に始まった年になりました。3月には中国企業初の社会責任報告となった2万9000字に及ぶ『国家電網公司2005社会責任報告』が発表され、深圳では、『企業の社会的責任履行推進に関する深圳市指導意見』の雛形がたたき台として提示されました。深圳は給料の遅配欠配問題が深刻で、2年かけて企業の社会的責任履行に関する調査報告を作成し、結果を公表、あわせて企業社会責任認証制度の実施を提唱しています。
外資企業の取り組みも詳しく紹介されました。2006年11月26日付では、三星の『一心一村運動』が大きく取り上げられました。『一心一村運動』とは、韓国が近年、都市と農村の交流として繰り広げている『一社一村運動』を三星が中国に持ち込んだもので、その支社がある村と姉妹関係を結んでこれを支援、1年間で中国全土35の村に広がっています。
2007年1月22日付では、東芝の取り組みが紹介されています。東芝は2005年に外資系企業として初めて中国語版の企業責任報告書を作成、2006年末にも『東芝グループCSR報告書2006』中国語版を公表しました。これらの行為により、東芝は連続して「光明公益賞」を受賞しています。
2006年は更に『企業文化師国家職業基準』も公布されました。企業文化の調査研究・建設企画と実施・建設評価などを行う「企業文化師」が新しい職業として認定され、北京では180人余りが参加したトレーニングも行われました。人民日報には2006年以来、『感言』と題するコーナーが設けられ、企業家や関係者が企業の社会的責任について論陣を張っていますが、その内容からも、徐々に議論と認識の深まりが感じられます。