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 第311回月への挑戦と宇宙開発事業

(2008年1月28日)

2007年10月24日18時04分、月探査衛星嫦娥1号が四川省西昌宇宙センターから打ち上げられました。衛星は地球を7日間回った後、11月5日には月を回る軌道に到達、11月20日から本格的に観測を開始し、26日には月面の鮮明な画像が公開されました。
2004年1月にスタートした嫦娥プロジェクトは、中国初の月探査プロジェクトで、総費用は14億6千万元。今回の嫦娥1号打ち上げの目標には、①月面の三次元画像の収録 ② 月面の利用可能な元素及び物質類型の分布状況 ③月の土壌特性探査による月の成熟度と表面年齢の関係の分析 ④ 地球と月の空間環境の観測 の4つが掲げられています。
中国の月探査計画は3段階に分けられ、今回はその第1段階。第2段階の“落”、即ち月面着陸は2013年に予定され、そのための“月球車”「月面探査車」の開発は既に2005年から始まっています。第3段階は “回”、即ち帰還で、2016年実施の予定。今回の嫦娥1号は、全ての部品が自主開発であることが喧伝される一方、プロジェクトにおける国際協力も大きく紹介することで、アメリカなど西側諸国に対する一定の配慮も見せました。
2007年は嫦娥1号以外にも気象衛星「風雲2号」や海洋観測用「海洋一号B」衛星・ナビ衛星「北斗」・国土の資源探査や防災に利用される「遠隔探査衛星2号、3号」・通信衛星「●諾三号」・通信衛星「中星6B」など、様々な衛星が打ち上げられ、2008年には初の環境観測衛星の打ち上げも予定されています。「●諾三号」は打ち上げ用ロケット“長征”シリーズ打ち上げ成功百回目に当たりますが、中国は今後も宇宙開発と宇宙ビジネスの発展に並々ならぬ意欲を示しており、2007年春の国防科学技術工業委員会による『第11次5カ年計画空間科学発展計画』は有人宇宙飛行や月面探査など6大目標を掲げ、同年秋には同委と国家発展改革委員会が共同で『衛星の産業発展への応用に関する若干の意見』を発表し、通信・GPS・海洋・気象・環境防災・水利・国土資源・農林業・遠隔教育など多岐にわたる衛星応用システムの構築を提起しました。
これに呼応した動きも活発で、既存の酒泉(内モンゴル)・太原(山西)・西昌(四川)に加え、4つ目の打ち上げセンターが文昌(海南)に、また、新しい搭載型ロケット開発のための産業基地も天津浜海新区に建設されることになっています。
(●=「金」を「森」の形に並べた字。繁栄の意味がある)

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