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第316回都市交通の整備−軌道交通の発展−
(2008年3月3日)
最近中国で、都市の地下鉄や“軽軌”(ライトレール、LRT)と呼ばれる市内電車など軌道交通が目覚しく発展しています。2007年7月の時点で軌道交通建設プランが承認されている都市は全部で15都市、そのうち12都市で36本の都市軌道交通が建設中、長春・大連・北京・天津・上海・広州・深圳・南京・武漢・重慶の10都市で22本の都市軌道交通線が運行しており、今後10年で総延長は1700キロに達するといわれています。その中でもオリンピックや万博を控え、特にピッチが上がっている北京や上海の様子を見てみましょう。
北京はいま地下鉄の建設が急ピッチ。北京に中国初の地下鉄が出来たのは1969年で、全長23.6キロでしたが、2003年には114キロに達して軌道交通の発展期に入り、2015年には19本の路線が完成、“三環・四横・五縦・七放射”と呼ばれる561キロの軌道交通網を形成、1日当たりの延べ利用者数は888万人に達すると見込まれています。
2007年10月7日、北京市では、地下鉄5号線の試運転が始まりました。地下鉄5号線は、南は豊台区宋家庄から北は昌平区天通苑に至る7.6キロ23駅の路線で、途中4つの商業区と5つの大規模居住区を通る、北京の南北を貫く大動脈になります。また、同日から、北京の地下鉄は全区間の乗車賃が距離数や乗り換え回数に関わりなく一律2元になり、庶民の負担が軽減されました。このほか、北京西部でも南北を結ぶ大動脈が建設されています。地下鉄9号線がそれで、北京西駅・六里橋・蓮花池・白石橋など公共交通の要衝を結び、これが開通すれば利用者は乗継ぎが随分便利になります。
上海も負けてはいません。2007年11月に明らかにされた軌道交通建設の見通しによれば、
2007年末:市軌道交通路線8本、営業距離230キロ、利用者延べ380万人、公共交通の26%
2010年:市軌道交通路線11本、営業距離400キロ、利用者延べ580万人、公共交通の35%
2012年:市軌道交通路線13本、営業距離500キロ、利用者延べ800万人、公共交通の43%
となっています。上海軌道交通は2007年12月7日に4号線が試運転に入り、同29日には、8号線(1期)・9号線(1期)・6号線が始動して、路線は合計8本、234キロに達し、一躍全国一の規模を誇るネットワークになりました。更に虹橋国際空港と浦東国際空港を結ぶ2号線延長工事も2010年に向け、2007年7月から着工されています。