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第318回休日改革
(2008年3月17日)
2007年12月14日、『<全国年末年始及び記念日の休日規則>に関する国務院決定』『労働者有給年次休暇条例』が公布され、2008年1月1日から施行されました。
休日に関する今回の改正のポイントは、以下の4点です。1.年間休日数を従来の10日間から11日間に増やす。
2.清明節・端午節・中秋節を法定休日に加え、更に、春節の開始を除夜からとする。
3.従来三回(春節・メーデー・国慶節)あった3日間(前後の土日4日間を片寄せて7日間の“黄金周を形成”)の休日は春節・国慶節の二回にし、西暦の新年(元旦)・清明節・国際労働節・端午節・中秋節の1日休日は、土日と重なった時は前後の平日にずらしたり、あるいは土日と連続するようにして五回の3日間休暇にする。
4.同時に『労働者有給年次休暇条例』を制定し、休日観光の集中を分散する。また労働者の休む権利を擁護し、法律的な保障を提供する。中国では、1995年に週休2日制が採用され、更に1999年から三大長期休暇がスタートし、年間休日数も114日に達し、休日消費が盛んになりました。しかし、特定時期に集中しているため、年間観光総収入は頭打ちで、却って長期休暇中の交通を初めとする様々な観光インフラや関連各種産業の過重な負担が顕在化し、平時とのアンバランスが生む非効率が問題になりました。また、2007年メーデー休暇に対する北京での調査では、長期休暇といっても、外出した人の64.8%が半径800キロ以内で済ませており、長期にするメリットが少ないことも判明しました。
今回、『労働者有給年次休暇条例』が同時に打ち出されたのは、労働者が自分の有給休暇を効率的に運用して法定休日と連動させ、「自分だけの長期休暇」を取ることで、休日観光の分散化効率化を図り、観光経済の一層の発展を図ろうという意図によるものです。ただ、そこで問題となるのが、企業がすんなりと有給休暇を認めるか、と言う点で、立場の弱い被雇用者に対し、容易に休暇を認めない企業が続出することが懸念されます。そうなれば、今回の改正が改悪につながる恐れもあり、『労働者有給年次休暇条例』の履行をどこまで厳しくチェックできるかに国民の関心が高まっています。