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第319回地下資源の探査−最近の戦略−
(2008年3月24日)
ちょうど2年あまり前、2006年1月28日、国務院は各一級行政区や直属機関・委員会に向け、『地質工作強化に関する国務院の決定』を通達しました。その中の(四)には以下のように書かれています。
「エネルギー鉱は重要な戦略的資源であり、地質探査の最重要に位置づけなければならない。“東(中)部はより深く掘り下げ、西部を発展させ、海域はペースを速め、新規地区を開拓し、海外に展開する”という方針に沿って、“渤海湾・松遼・タリム・オルドスなど主として石油・天然ガスを埋蔵する盆地の探査を重点的に強化し、陸地の新規地区・新領域・新規層と重点海域の探査を積極的に進め”、可採埋蔵量を着実に増やす」
「神東・陝北・晋北・魯西・両淮など大型石炭基地の一般的調査と必要な精査のペースを速め、南方の石炭の無い省区や辺境地区の石炭探査を強化する」
また、(五)では<非エネルギー重要鉱産物の探査を強化しよう>と言うテーマで鉱産物資源保障プロジェクトの実施を提唱し、具体的には「鉄・銅・アルミニウム・鉛・亜鉛・マンガン・ニッケル・タングステン・錫・カリ岩塩・金」などを主要探査鉱産物として列挙し、
西南三江・ヤルザップ江・天山・南嶺・大興安嶺など既存の重要金属鉱区の更なる発展と西部地区の鉱産物資源の調査と評価に一層力を入れるよう示唆しています。
中国の地質探査は初期の大慶油田や攀枝花・徳興など一連の各種鉱床の発見、改革開放後の西北地域や渤海湾での石油・天然ガス、西北西南地区を中心とした石炭・銅などの発見等等、多くの成果がありましたが、最近の経済の急速な発展で主要鉱産物の埋蔵量が生産量の急増に追いつかず、各種鉱産物の探査が焦眉の急になっているのです。
もちろん、こういった動きは2006年に急に始まったわけではありません。既に1999年、政府は『国土資源新規大調査』を開始し、7年の歳月と3億4千万元をかけて青蔵高原の地質調査を完成させました。こうした調査によって発見された鉱床など関係箇所は600以上に上り、これには、同じ1999年と2003年に打ち上げられた自前の地質探査衛星2基も大きく貢献しています。『新疆鉱産物資源総合遠隔調査』『タリム盆地北縁鉱産物と地下水資源調査』などはその好例でしょう。その後の詳しい情況はまた次回に。