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第320回地下資源の探査−最近の成果−
(2008年3月31日)
ここ2年ほど、次々と新たな鉱物資源発見の成果が報告されています。
石炭では、2006年には新疆で、埋蔵量466億トンの巨大炭田が発見されて話題になりましたが、2007年は黒龍江省で3.9億トン、河南省でも6億トン強の大型炭田が発見されました。更に内モンゴルではノモンハンで205億トンの巨大炭田が発見され、内モンゴルは確認埋蔵量で山西省を抜き、全国トップに躍り出ました。
石油では、2005年までの第10次5カ年計画中に埋蔵量1億トンを越える巨大油田を5箇所発見しましたが、その後も、渤海湾で新油田の発見が相次ぎ、2007年5月3日には、同海域で10億トンの大油田(冀東南堡油田)が発見されたと報じられました。天然ガスでも、タリム盆地が年産100億立方メートルを突破しましたが、2007年には四川省で理論埋蔵量6000億立方メートルという超巨大ガス田の存在が確認され、また、南海珠江口盆地でも推定1000億立方メートル以上のガス田が発見されました。
鉄は、2007年だけで187箇所の鉄鉱が発見され、確認済み埋蔵量607億トン、未確認埋蔵量1000億トン以上と言われています。金鉱の発見も相次いでいます。甘粛省の陽山金鉱では埋蔵量308トン(500億元相当)の超大型金鉱床が発見されましたが、同年はこのほか河南省(埋蔵量23トン)も含め、計5箇所で金鉱が発見されました。
このほか、新疆では推定埋蔵量1.84億トンと、チリに次ぐ世界第2位の天然硝酸塩鉱が、広西では推定埋蔵量102億トンの超大型ボーキサイト鉱が、広東ではその価値1000億元以上と推定される大型銅・モリブデン鉱が発見されています。
こうした多くの発見につれ、青蔵鉄道の沿線・雲南省西北部・天山三脈の一帯・南嶺という、今後の中国の経済発展を支える有望鉱物資源区が形成され、様々な家電製品やハイブリッド車などに必要な希少金属は、今後、中国が有望な産出地になると思われます。
チベットでは既に銅・クロムなど101種もの鉱物、2000箇所以上の鉱産地が発見され、潜在的経済価値は1兆元を超えるとも言われ、青蔵鉄道沿線には、789万トンの埋蔵量を誇る駆竜銅鉱を初め、銀・鉄・鉛など豊富な鉱物資源がありますが、これらの資源がチベットから運び出されることに対するチベットの人々の反発も懸念されています。