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第325回国務院の新たな機構改革
(2008年5月5日)
第6次国務院機構改革案が2008年2月の17期2中全会で承認され、3月15日の11期全人代第一回会議で採択されました。その具体的内容は以下の通り(下線太字は新設)。
- 国家発展改革委員会の役割を一層経済のマクロコントロールに特化させ、財政部や中国人民銀行との連携協力システムを構築してマクロコントロール機能を強化する。
- 国家エネルギー委員会を設けエネルギー戦略に取り組み、国家発展改革委員会の下にエネルギー局を新設しエネルギー管理機構を強化。
- 工業の情報化・ハイテク化への対応として、各部門に分散していた関連部署を統合、工業・情報化部を設け、国防科学技術工業局はその中に設置。
- 従来の交通部や民用航空総局の役割を担う交通運輸部を新設、その中に民用航空局や郵政局を置く。ただし、鉄道部はそのまま存続。
- 従来の人事部と労働・社会保障部を合併、人力資源・社会保障部を設置、その中に公務員局を置く。人材市場と労働力市場を整合させた人力資源市場を形成し、就職政策と社会保障政策を総合的に推進。
- 環境保護部を設け、環境対策、生態保護を強化し、資源節約型、環境友好型社会を建設。
- 住宅政策の推進、とりわけ低所得者層の住宅問題を解決、都市と農村の格差を是正し、都市化を推進するために住宅・都市農村建設部を新設。
- 食品薬品監督管理局を衛生部の管理とし、衛生部が食品の安全に関する全体的な責任を負う体制を明確化。
今回の改革はWTO加盟を背景にした第5次改革以来で、 “小康”社会の建設を目指し、2020年には整った中国独自の社会主義行政管理体制を築き上げることを目標にして、27の部門が設けられました。この改革は17期2中全会で承認された<行政管理体制の改革を深めることについての意見>とセットになっており、ただ簡素化を目指すだけではなく、政策の決定・執行・監督という各権限間の相互チェックと相互協力のシステムを作り、政府の役割を経済の舵取りや市場の監督など本当に管理が必要な範囲に絞りこみ、市場への直接介入は極力避け、社会の管理や公共サービスを充実させることを主旨としています。
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