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 第367回08年人民日報日本関係記事の動向−その3−

(2009年3月9日)

日本の優れた環境技術を紹介するといった記事は、中国国民に日中協力の必要性を認識させるという啓蒙的段階が既に過ぎて記事数は減りましたが、日中科学技術協力会議が確定した106に上る協力プロジェクトや地球温暖化に対する日中協力、また『低炭素社会行動計画草案』や『環境エネルギー技術革新計画草案』『再循環利用計画』といった日本の環境政策、『日本環境保護商品展』など民間の取り組みが引き続き紹介されました。
2008年に最も多かったのが、『日本に学ぼう』という謙虚で率直な記事でしょう。主な記事だけでも24本を数え、日本側の中国関係記事がネガティブキャンペーンの一辺倒の観を呈したのに比べ、むしろ中国側の「是々非々で望み、良いことは良いことと率直に認める度量」が際立ちました。
『日本に学ぼう』という記事の中で最も多かったのは、四川大地震がらみの日本の地震対策。5月以降夏にかけて集中的に7本掲載され、阪神淡路大震災の教訓、耐震建築基準と定期チェック、防災関係諸法の紹介、『防災の日』の活動、活断層基本図の作成、地震観測網の設置や地震教育などが克明に紹介されました。
教育面では、日本の幼児教育における絵本教育の効果や、冬でも園児に裸で遊ばせる健康教育、中国にはない成人式が国民の社会に対する責任感の育成に役立っていることなどが、また自閉症児に関する白崎研司氏の取り組みや障害者に対する日本の進んだ取り組みも紹介されました。
日本人と日本社会の長所を積極的に評価する記事が相次ぎました。時間と信頼を守る日本社会(08.4.22)、急病者に対する親切(08.2.5)、宿のおもてなしの素晴らしさ(08.3.27)(08.7.22)、商店のお客様第一のサービス(08.7.15)、消費者の立場に立った商品開発(08.1.8)(08.4.25)など、其の率直な姿勢は日本のマスコミも大いに見習うべきでしょう。中国にも日本が学ぶべき素晴らしい点は多々あります。関口知宏の『中国鉄道大紀行』に関する『“没有” 的魅力』(08.2.14)は其の点、両国のメディアの責任を直視した素晴らしい記事でした。
このほか、日本の景色風俗を庶民の視線で紹介した記事も15本以上ありました。年々庶民に密着した記事が増えており、これも日本のマスコミが見習うべき点と言えます。

三瀦先生のコラム