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第369回中台急接近−その1−
(2009年3月23日)
2008年下半期、中台関係はどんな進展を見せたのでしょうか。
まず、2008年9月25日から、台湾人は大陸での身分証明書の5年毎の更新から解放され、これまで更新ごとに銀行や学位証明など様々な手続きをやり直さなければならない面倒が無くなり、併せて取り扱い地点も大幅に増えました。
11月4日、海峡両岸関係協会会長陳雲林氏は訪問した台北で<海峡両岸航空運輸協定><海峡両岸海上運輸協定><海峡両岸郵政協定><海峡両岸食品安全協定>に調印(前3協定は40日以内に発効)、長年の懸案だった<三通>(直接の通商・通信・通航)が大筋で実現しました。その主な内容は
<海峡両岸航空運輸協定>
旅客輸送→香港管制地域を通らない直行チャーター便を従来の週末4日から毎日運行へ。週108便を限度とし、双方が54便を超えない。大陸側は発着地をこれまでの5都市(北京・上海浦東空港・南京・厦門・広州)から16都市(瀋陽・大連・天津・西安・鄭州・青島・杭州・長沙・武漢・重慶・成都・福州・深圳・桂林・昆明・海口)増やして21都市に、台湾側は既に開放している8箇所(台北松山・桃園・台中清泉崗・高雄小港・台東・花蓮・金門・澎湖馬公)を使う。また、郵便物の積み込みも可。貨物輸送→直行チャーター便の開設で合意。大陸側は上海浦東・広州を、台湾側は桃園・高雄小港を開放、週160便を限度とし、双方が30便を超えない。
<海峡両岸海上運輸協定>:香港や石垣島を経由しない直行便の開設で合意。大陸側は63の港を、台湾側は11の港を開放、双方は営業税と所得税を免除するとともに、入港の際、会社の旗以外は掲げない。
<海峡両岸郵政協定>各種郵便物の直接輸送の実現。発送局は大陸側8箇所(北京・上海・西安・南京・成都・福州・厦門・広州)、台湾側5箇所(台北・基隆・高雄・金門・馬祖)。
<海峡両岸食品安全協定>:8項目に渡る合意がなされ、調印の7日後から発効。
こういった動きに対し、動きが急すぎるといった批判や反発も強くありましたが、世界的経済危機の中では歓迎する声も各所から上がりました。この続きは次回に。