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 第371回住宅市場回復の兆し?

(2009年4月6日)

 2008年になって調整期に突入した中国の不動産産業界、7月までの商品住宅竣工面積は前年比12.4%伸びましたが、販売面積は10.8%下降し、北京では8月の販売件数が3371件と過去2年間と比べ最低を記録、8月末には全国で空き部屋が1億3千万平方メートル(前年比8.7%増)に達しました。こういった状況下で発生したリーマンショックは政府に否応無しの政策転換を迫り、9月、10月には一転して若干の金融緩和措置が採られましたが、不動産業界に対する目に見える効果は現れませんでした。
しかし、50あまりの関連産業を抱える不動産業の不振は経済全体に及ぼす影響が大きく、雇用問題や、年末に資金繰りに窮した不動産企業の倒産によって発生しかねない金融機関の不良債権の増大を考えれば、早急な需要の喚起が必要になります。また、地方政府はここ数年の不動産バブルから得た収入を重要な財源にしており、これらを一挙に失えば各種インフラ建設の財源が焦げ付くことは目に見えています。
このため政府は、10月27日から商業性個人住宅貸出金利の下限を基準金利の0.7倍に押し下げ、第一回返済額の割合を20%に調整し、住宅公積金(基金)の貸出金利も下方修正しました。これに歩調をあわせ、各地方政府も住宅公積金の返済期限の延長、限度額の調整など住宅消費を奨励する関連政策を続々と打ち出しましたが、それでも需要を大幅に喚起することは出来ませんでした。消費者は「消費者に対する援助は増えたが住宅価格は依然高止まりで、年末にかけ更なる価格の下落がある」、そのほうが有利と買い控えたのです。
11月末、更なる大幅な金融緩和が実施され、北京・上海・広州・深圳などで消費が上向き始めましたが、買い替え規制はいまだ緩和されず、いまだ効果は限定されていました。
12月17日、国務院は13項目の<不動産市場の健全な発展の促進に関する意見>を発表、買い替えと中古ハウスに関する営業税に関する規制が遂に緩和され、取得後5年以上の転売から免税だったのが2年以上になり、2年以内の転売は全額課税対象だったのが、取得価格との差額にのみ課税となりました。2009年1月、70都市の一般商品住宅販売価格は前年比1.5%下降し、深圳では16.5%も下げましたが、今後の消費の伸びにつながるか大いに注目されます。

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