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 第373回鉄道整備最新の実績と今後の計画−その1−

(2009年4月20日)

 鉄道建設が新たな発展期を迎えています。2007年の<総合交通網中長期発展計画>では2020年までに鉄道距離数を従来予定されていた10万キロから12万キロに増やすことが承認され、2010年には時速200キロ以上の旅客専用線が7千キロに達すると見込まれました。
 中国の鉄道網は、現在、南北の大動脈として北京と華南の珠江デルタを結ぶ京広線・京九線、北京と上海を結ぶ京滬線、北京とハルビンを結ぶ京哈線の4本があり、また東西にはユーラシアンランドブリッジにつながる隴海線・蘭新線が東で華東地域の鉄道と連結し、全国的な鉄道網の骨幹を形作っています。
 近年の特徴の一つはスピードアップ。2008年末の時点で、時速120キロ以上が2万4千キロ、うち時速160キロ以上が1万6千キロ、時速200キロ以上は6227キロ、時速250キロ以上は1019キロで、2007年から投入された“白い巨竜”『和諧』号系列の列車は時速200から250キロで各先進経済地域に1時間経済圏を出現させ、多くの周辺都市に同一都市効果をもたらしています。
 2008年11月、政府は従来の計画を更に大幅に上回る修正<中長期鉄道網計画>を発表しました。もちろんこの背景には、リーマンショック以後の経済危機を乗り切るための公共投資の拡大、という背景があります。政府は、2009年に2008年の倍に当たる6000億元を投入する計画で、これによって600万の雇用が創出され、2000万トンの鋼材、1億2千万トンのセメント需要が起きる、と踏んでいます。
 この修正計画に拠れば、「2020年には時速250キロ以上の鉄道距離数は1万6千キロ、貨物輸送でも石炭の輸送能力が25億トン以上になって、火力発電所の石炭供給不足は解決される」との事。電化率は60%を超え、スピードアップも更に進み、北京−上海間は10時間から更に3時間に、北京−広州は23時間から6時間半になり、快速鉄道網は5万キロを超えて全ての省都と人口50万以上の都市を結び、全国の90%の人口を網羅します。また、西部地区の鉄道網の整備計画が更に強化されており、そのうち貴陽−広州間、南寧−広州間の鉄道は大西南の鉱物資源を搬出する資源性の鉄道としての役割が期待されています。
 次回は更に詳しく個々のプロジェクトを見てみましょう。

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