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第374回鉄道整備最新の実績と今後の計画−その2−
(2009年4月27日)
 2008年12月31日から開催された全国鉄路工作会議が明らかにしたところでは、現在着工中の旅客線は2008年着工の80件余を含め1万キロに達し、更に2009年から2010年にかけて1万キロが着工される(2009年には70件を予定)との事。鉄道建設への年6000億元の投入は2012年まで予定され、複線化率と電化率も50%を超える計画。
 その中で注目すべきは、環渤海湾・長江デルタ・珠江デルタを始めとする各地域の中核的都市群の単一都市効果を引き出す都市間高速鉄道がほぼ整備され、一方では、西部地域の資源開発に重点をおいた鉄道輸送網が4万キロにも達することで、これらがもたらす経済効果は計り知れません。それでは地域別に建設状況を見ていきましょう。
 ★東北地域:2009年年初に東部鉄道が全面的に着工されました。遼寧省大連市から吉林省図們市などを通り、黒龍江省の牡丹江市に至るこの鉄道は、遼東半島から中朝・中ロ国境沿いを走る東部地区の大動脈で、東北地区振興の起爆剤としての役割が期待されています。
 同じく年初に定礎式を行ったのが、2011年完成予定の甘泉線。モンゴル人民共和国と包頭万水泉を結ぶこの鉄道は、石炭輸送専門鉄道で、中国とモンゴルの2国間貿易の発展を促進することになります。内モンゴル自治区では、現在、23件、5300キロに及ぶ鉄道建設が進行中で、全国で建設中の鉄道の1割以上を占めています。
 ★華北地域:2008年8月1日に北京と天津を25分20秒で結ぶ京津高速鉄道が開通したのは周知の通りですが、このほかにも、天津と秦皇島を結ぶ津皇鉄道が2008年11月に着工されました。4年後に完成すれば北京から秦皇島までが90分に短縮されます。
 北京と山西省太原を2時間で、河北省石家荘とを1時間で結ぶ京石線も同10月に着工されています。ほぼ同時に石家荘と湖北省武漢を結ぶ石武線も着工されました。この路線は、中国大陸を縦貫する従来からの大幹線、京広線に沿って更に広東省広州・深圳、そして香港に連なり、年間旅客輸送能力は8000万人に達し、旅客輸送状況の緩和に大きく貢献するでしょう。山西省は独自に鉄道部と建設計画に調印し、2012年までに太原を中心とした、東は北京、南は鄭州、西は西安との2時間経済圏の構築を目論んでいます。