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第388回2009年前半の自動車業界−その3−
(2009年8月17日)
3月の自動車販売台数は遂に100万台を突破、110.98万台に達しました。第一四半期全体では267.88万台で、世界一を記録しました。この成果に大きく貢献したのが小型車販売であることは明白で、1.6リットル以下が77万台を占め、市場占有率は70.72%に達しました。またマイカーが全国自動車数の76.49%に達したことも注目すべきでしょう。中国自動車市場の活気は、4月20日に開催された上海モーターショーにもはっきり現れました。年初のデトロイトやジュネーブのモーターショーをはるかに凌駕し、出店辞退が相継ぐ東京モーターショーと比べ、1500社あまりが参集した上海モーターショーの活気は明らかに別物でした。各社とも総力を挙げたラインアップの提示で、新戦略の凌ぎあいを感じさせるに充分でした。熱気のままに4月の販売台数も115.31万台と史上最高記録を更新し、中でも乗用車は前年同期比37.37%増の83.10万台を記録、商用自動車も低落に歯止めをかけ、前年同期比1.38%増になりました。
こうした好調の持続は、補助金政策のほかに、中国の都市化が進行中で、しかも高速道路や各村への自動車道路の整備が急速に進み、自動車市場がちょうど自家用車の成長期に入っていることが挙げられます。その後、5月の販売台数も依然111.97万台を記録、市場調査では「供給の逼迫により値引き幅が落ち込んだため、消費者が手控える傾向は見られ、6、7月には若干の落ち込みも予想されるものの、購買意欲は強く、優遇政策が切れる年内には購入に走るだろう」と予測されました。しかし、6月も好調は持続しました。販売台数は114.21万台を記録、しかも其処には注目すべき特徴が現れました。1.6〜3.0リットルの伸び率が1.6リットル以下を上回ったのです。これにより業界の利益率も上昇が見込まれ、業界全体の復活基調が鮮明になってきました。一方で農村市場は一定の充足レベルに達したとも言えます。
今後の農村市場は、サービスネットワークの建設が農村市場獲得に必要不可欠な要素で、例えば長安自動車は、従来の1260店舗の“長安親情之家”に更に2009年上半期で1000店舗を増設する計画を立てていますが、こうして火がついた農村市場は何年か後には3級市場から2級市場へ、更に上へとレベルアップしていく傾向にあり、中国企業が開拓したこの市場は外資にとっても将来の有望市場であり、今から戦略を構築しておくことが求められます。