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 第395回経済区の発展−海峡西岸経済区

(2009年10月6日)

2009年5月、国務院が32条に及ぶ<福建省の海峡西岸経済区建設加速に関する国務院の若干の意見>を発表、大きな反響を呼びました。同意見は「海峡西岸経済区は、東は海峡を隔てて台湾に連なり、北は長江デルタ、南は珠江デルタと接する、沿海経済ベルトの重要な組成部分である」と位置づけ、2012年、2020年を視野に置いた発展目標を掲げました。国務院常務会議では同地域を、「両岸交流の先行実験地区であり、中西部地区の対外開放の総合的ルートであり、東部沿海地区の重要な先進的製造業基地である」と定義づけ、7方面での具体的な要求も掲げました。
福建省と台湾の結びつきは強く、在台の漢族のうち、元々福建籍の者は80%を超えています。5月8日、温家宝首相は2001年以来“小三通”の窓口となり、既に3300社の台湾企業が進出している厦門を訪れ、宸鴻科技・厦華電子など、台湾資本の入っている優良企業を視察し、海峡西岸経済区建設に対する熱意を示しました。
福建省の発展の前提条件として欠かせないのが交通インフラの建設です。険しい山々に分断された各地域を結びつける道路や鉄道の整備は福建省の悲願でした。「豊かになるには、まず道を」と、2008年までに舗装された道路4万キロを建設、省内全ての県が30分以内で高速道路にアクセスできるようになりました。171の橋と39のトンネルを擁する、北は福州から南は厦門に至る福建沿岸各都市を縦貫する高速道路も建設中で、年末に予定通り完成すれば、福州から厦門がわずか1時間半で結ばれることになります。鉄道建設も着々と進んでおり、2010年には省外に通じる鉄道が6本以上に達し、中国大陸内陸部から福建沿岸への物流は飛躍的に発展すると推測されます。
南北の直線距離が500キロあまりなのに対し、海岸線は3752キロという福建省には良港がたくさんあり、全国5大港口群の一つとして、年間呑吐量は2.74億トンに達し、更なる拡充が進んでいます。同省内の9大都市に周辺の浙江省・江西省・広東省の11都市を加えた“9+11”は経済的な結びつきを強めており、沿岸には原子力発電所やLNG基地の建設も進んでいます。5月15日に開幕した「第1回海峡フォーラム」や6月11日に開幕した「第7回中国・海峡項目成果交易会」の活況は今後の発展を暗示するものと言えましょう。

三瀦先生のコラム