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第四回 大きく変化する庶民生活
生活が豊かになるにつれ、庶民生活も大きく変化。余暇を利用した"健身"の流行などはまさに隔世の感。2001年初頭に全国21の調査機関が行った22都市の住民生活調査によると、2001年の生活が2000年より良くなりそうだ、と答えた人は63%、その逆は僅か4.5%と、前途に明るい希望を持っている人が圧倒的多数を占めています。
消費生活の向上ぶりを端的に示したのが、今年の旧正月。家族へのプレゼントでブレイクしたのが携帯電話で、南京のある店では1日に200台売れたというのですから大したものです。もっとも、家庭100軒あたりの家電平均所有台数は、都市でカラ−テレビ117台、冷蔵庫80台、洗濯機91台、農村でも、カラ−テレビ49台、冷蔵庫12台、洗濯機29台というのですから、さして驚くことでもないのかもしれません。最近の売れ筋商品はコンピュ−タにDVD、また、エアコンや電子レンジがやや峠を越したのに対し、皿洗い機が人気に、というのですから、なんとも目まぐるしいばかり。
庶民を取り巻く社会環境も大きく変化しています。2001年8月、海南省で1955年以来使用された<市鎮住民食糧供給証>が、また、これより先の5月には、戸籍移動する際に必要な"食糧と食用油に関する手続き"が全国的に廃止されました。これらの措置は1つの歴史が終わったことを象徴する出来事といえましょう。
庶民生活に関わることで最近話題になっているのが婚姻法の改正。"配偶者が有る者は他人と同居してはならない"という条文の目的は、豊かさがもたらした悪弊の1つ、愛人を囲う風潮に網をかぶせるため。
また、家庭内暴力を処罰する規定も盛り込まれ、更に、"児童優先"の考えから、親が離婚しても子供が離れた親に会う権利を保障するための"探望権"が設定されました。
都市の近代化で新しい"小区"(団地)が次々と出現し、個人の"隠私権"(プライバシ−)が重視される中で、市民の触れ合いを育てようと、"社区"(地域社会)の構築も重視され始めています。住民たちの自主的組織に育ちうるか、その内容が問われています。