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 第410回検証:インフルエンザ対策−その2−

(2010年2月8日)

5月末、各地で症例が報告され、広州では、29日に海外で罹患して帰国した患者に接触して感染した2次感染者も現れました。こういった情況に対し、6月4日には北京で22の研究機関や企業が同ワクチン技術開発戦略連盟を結成、ワクチンの開発・生産・備蓄へ向けた動きを加速させ、続いてワクチン製造企業11社が同ワクチンの開発製造を申請しました。
中国の6月は大学入試の季節。各地では影響を最小限に食い止める努力が払われ、広州では受験生に動揺を与えないように体温測定はせず、体調に異常がある学生には別室受験で対応する準備も行われましたが、幸い各地とも罹患者は報告されませんでした。
6月11日、WHOが警戒度を最高レベルに引き上げました。この時点で中国の患者数は13の一級行政区126人に達し、社区と呼ばれる地域社会での広がりを予感させ始めました。これに対し、衛生部は対応拠点病院を354箇所に拡大し、さらに全国の各地方市を網羅すべく198箇所を追加するとともに、17日に『社区A型H1N1インフルエンザ爆発的流行抑制対策方案(試行)』を打ち出し、街道・許民委員会レベルでの警戒態勢に突入、個別の患者に対する対応から、老人・子供・慢性病患者といった対象グループ別対応に切り替えました。一部の企業ではいよいよワクチンの生産が開始され、7月末には製品が出荷される見通しが立てられるとともに、摂取の順番に関する論議も始まり、医者や税関・検疫関係者の次には上述の60歳以上の高齢者・慢性病患者などが挙げられました。また、その価格についても一般のインフルエンザワクチンの価格を上回らない30元前後が想定されました。
地域ぐるみの貿易体制確立に呼応して、教育部も衛生部と『学校A型H1N1インフルエンザ予防対策方案(試行)』を制定、発生状況に応じた対応措置を規定して、22日にこれを関係機関に通達、同日、患者が集団発生した広東省の小学校が学校閉鎖に踏み切りました。
6月29日にこれまでの対応についての分析と今後の対応に関する調整が図られました。流行はその後も広がりましたが、毒性がさほどでもなく、老人の罹患率も低いなどの特性も分かりました。その後の状況は前回の冒頭で述べた如くです。
今回の対応やその後の状況は日本と大差なく、結果として流行は防げなかったものの、情報の公開も含め、その対応振りに国民から大きな不満の声は上がりませんでした。

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