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第425回地域発展構想の新展開−その1−
(2010年6月7日)
2009年5月から2010年1月にかけて、中国政府は12の地域発展プランを承認しました。これらの動きは、中国の地域発展政策がまた新しいステップに踏み込んだ事を示すものです。80年代には沿海地方の発展、90年代前半は“三沿開放”(沿海・沿江「長江沿い」・沿辺「国境沿い」)、90年代後半は“沿鉄路”、99年には西部大開発が発動され、2003年以降は東北地方や中部経済圏への取り組みなど新たな経済圏が次々と誕生し、それに歩調を合わせた交通インフラの急速な整備によって、近年では各巨大経済圏が境を接し、重り合い、ついには中国全体が一つの経済圏になりつつある、とさえ言われるようになりました。
巨大経済圏は互いの補完関係を密にし、あらゆる分野を包含する独立経済圏から独自性のある経済圏を目指し始め、経済圏を構成する各一級行政区とそれに属する市や県もその中で自らの位置づけと発展を図り、自分の特長に合ったプランを立案し国家戦略に組み込んでもらおう、という動きが活発化しています。国側もこの動きに対し、単なる財政援助ではなく、様々な意欲的な試みを可能にする自主権を付与してやる気を引き出し、地域の発展を図ろうとしています。まず、以下にその12の地域発展プランを紹介し、詳しくは次週に。
1. 海峡西岸経済区。 2009.5.14、国務院正式発布。福建省の発展計画。
2. 横琴島全体発展計画。 2009.6.24、国務院原則承認。珠海の拡張。
3. 関中−天水経済区。 2009.6.25、国務院正式発布。黄河中流域発展計画。
4. 遼寧沿海経済ベルト。 2009.7.1、国務院原則承認。遼寧省沿海地区の発展。
5. 江蘇沿海地区発展計画。 2009.7.14、国務院配布。江蘇省沿海地区の発展。
6. 図們江地域協力開発計画。2009.8.30、国務院同意回答。吉林省の海への出口。
7. 中部地域振興促進計画。 2009.9.23、国務院原則承認。
中部地域の更なる発展計画。
8. 黄河デルタ高率生態経済区。2009.12.1、国務院承認。山東省北部発展計画。
9. 鄱陽湖生態経済区。 2009.12.12、国務院同意回答。江西省北部発展計画。
10. 甘粛省循環経済全体計画。2009.12.24、国務院実施承認。甘粛省発展計画。
11. 海南国際観光島建設。 2009.12.31、国務院公布。海南省発展計画。
12. 皖江都市ベルト産業移転受け入れモデル地区。
2010.1.12、国務院同意回答。安徽省。