企業向け中国語研修をリードするGLOVA China

ビジネスコラム|現代中国放大鏡

トップ > 現代中国放大鏡

Last Update:

 第四十三回  人材育成-その2:公務員

 今年6月に発表された<2002-2005年全国人材育成計画綱要>によれば、2000年末の時点で、中等専門学校卒以上の学歴あるいは各種専門技術員の総数は6360万人、そのうち、党や政府の幹部586万、企業幹部780万、専門技術者は4100万となっています。計画では、2005年には、この総数を8350万(総人口の6.3%)以上に、中でも、専門技術者を1300万人増やすことを目標にしています。
 ここ数年、党や政府幹部の公開選抜が盛んになっています。新聞には、各地の募集広告が頻繁に登場しており、例えば深圳では、昨年12月、ハイテク産業区指導小組弁公室、情報化弁公室、外事弁公室等の副主任や、建設局、財政局の技術責任者を募集しました。
 公務員の質の向上は急務。全国の550万近い公務員のうち、高等専門学校以上の学歴を有するものは52%と約半分。これではWTO加盟後の新情勢に対処できないと、今年1月には、浙江省義烏市に中西部の幹部3000名を集め、市場経済、市場管理に関する特訓が行われました。北京では、オリンピックを控えていることもあり、のべ10万人の公務員がWTOの知識、英語、情報技術の訓練に参加、既に85000人が<WTO基礎知識試験合格証>を手にした、ということです。更に幹部を国外留学でブラッシュアップさせよう、という動きも出ています。成都では既に700名近い幹部をアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスなどに送り出しており、福建省でもこの6月、幹部をイギリスやアメリカに留学させ、MBAなどの資格を取らせるプランがスタ−トしました。
 国内でも、各大学に、関連した新しい講座が続々と開設されつつあります。最近、清華大学や中国人民大学などに、MPA(公共管理修士)を要請する講座が設けられ、今年の入試では全国24大学で2400名の募集がありました。昨年12月、中国工商銀行が香港大学や復旦大学と提携して、MBA学習班を実施しましたが、このような形での産学協同も今後、急増することでしょう。公務員のモラルの向上が叫ばれて久しくなりますが、公務員の専門化も不可欠に重要で、両者はまさに車の両輪と言えそうです。

三瀦先生のコラム