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第432回主要産業再編の動き−その2:通信業界(2)
(2010年7月26日)
中国電信の強みは中国聨通のCDMAネットワークを購入した事で、中国電信はこれに手を加え、2008年末には340余りの都市のCDMAネットワークを完成させました。割り当てられたCDMA2000にはこれまでのC網が使える事から、新規にネットワークを立ち上げる必要もなく、ソフトを更新するだけでいち早く3Gの全国ネットを築き上げ、2009年3月には商用化のテストが始まり、4月16日には122都市で3G用の“天翼”業務を開始しました。ユーザーも急増し、それまで他の2社に比べユーザーが極端に少なかった中国電信はこの時点で、3年以内に新規増のユーザー1億、市場シェアをこれまでの5%から15%に拡大する目標を明らかにしました。実際、2010年1月には8%まで上昇しています。また、中国電信の端末にもサムソン、華為、中興などが名乗りを上げました。
中国聨通は中国電信に比べ、ネットの構築という点では基礎から築き上げなければなりません。そこで中国聨通はまず、2009年中に正式にWCDMAネットワークを開通させる目標を立て、同年4月には“沃”ブランドを打ち出し、5月17日には55都市で3Gの商用テストを開始しました。他の2社に比べスタートは遅くなった中国聨通のWCDMAによる3Gですが、その強みはなんといっても世界100ヶ国以上で370を超える商業用ネットワークがあり、3Gユーザーの70%を占め、2000種近い端末を有する事です。2009年10月、聨通の3G業務も正式に商用化を開始しました。
中国の電話ユーザーは2009年に10億を突破、全インターネットユーザーは3億8400万人に達し、その中で、携帯でのインターネットユーザーは、同年1年間で1億2千万人増加して2億3300万人と、60.8%を占めるに至りました。2009年末、中国の3Gユーザー数は1325万に達し、同年中に3社が3Gネットワーク建設に投入した費用は1609億元、間接的な国内投資は5890億元、364億元の直接消費を喚起しました。中国の今後の3G発展に広大な空間が広がっている事は誰も否定できないでしょう。。
内需拡大による経済発展を積極的に推進する中国政府にとって、3Gの発展は大きな柱の一つと言えます。その投資額は2兆元にも達すると言われていますが、その中で、独自規格のTD−SCDMAをどう位置づけるか、保護主義の台頭を懸念する向きも有るようです。