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第436回華僑の動向
(2010年8月30日)
2006年10月の16期6中全会では、内外同胞間の“和諧”(調和)が“社会主義和諧社会”構築に必要な5大関係の一つに掲げられましたが、孫文の辛亥革命を始め、中国の発展に無慮数千万と言われる海外華僑が常に大きな役割を果たしてきたことは周知の事実。
中国僑聨”は党・政府が指導する組織で、3000万人の帰国華僑やその家族で構成されています。その前身は1940年設立の延安華僑救国聨合会で、1956年に北京で“中国僑聨”として再発足しました。建国当時の華僑の貢献は大きく、1950年〜54年末の5年間だけでその額は7億ドルと、同期間の輸出による外貨収入の半分に達しました。文革期間には酷しい迫害に遭いましたが、改革開放後は、「貧者に対する救済と故郷への貢献」という中国社会伝統の美徳を遺憾なく発揮して、30年間で700億元に上る無償援助を行い、企業進出に投入した資金は利用外資の6割に、企業数は外資企業の7割に上っています。
1982年には“中国僑聨法律顧問委員会”が成立しました。帰国華僑やその家族の権益保護に関しては、1991年に<帰僑僑眷権益保護法>が、93年にはその実施規則が出されましたが、全国的に組織展開しつつ、これらの法律に則り権益保護業務に携っています。
2008年から始まったのが<僑愛プロジェクト>。年初の豪雪に対する支援がきっかけで、1ヶ月で1億7000万元相当の援助がありました。引き続き同年3月から始まったのが<僑愛プロジェクト>第2弾、<万僑助万村活動>。2006年、浙江省麗水市青田県の18人の帰国華僑出身の村幹部が海外華僑に対し<百名僑胞助百村唱議書>を発し、この活動が全国的に広がりました。同県では、2009年には、128の華僑団体が90の行政村を、1292名の華僑が2345戸の貧困家庭を援助するまでになり、全国規模では、2010年4月時点で“助村”プロジェクトは1715村(700万人)に対し1864件、14億4000万元相当に達しています。
“僑聨”のケアする対象には留学帰国者も含まれます。上海では、70万人余りの帰国華僑やその家族の中に、全国留学帰国者の4分の一に達する7万人余りの留学帰国者が含まれています。そのうち90%が大学院修了者で、上海では、彼らの起業を積極的に支援すると共に、各社区に計600余りの“僑之家”を設け、彼らが中国社会にスムーズに溶け込めるよう、様々な工夫を凝らしています。