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 第454回大学入試の改革‐その2‐

(2011年2月7日)

まず問題になっているのが“三模三電”。“航空航天模型・航海建築模型・車両模型”と“無線電測向・無線電通信・電子製作”、つまり各種の模型や電子通信関連のコンテストで優秀な成績を上げた生徒に関する加点ですが、この加点が知的スポーツという名目でスポーツ枠に組み入れられている事、また、この枠の安易な利用の氾濫に批判の声が上がっています。
浙江省では2010年入試でスポーツ加点を受けた1010人ほどのうち60%を超える630人ほどがこの枠の該当者になっています。同省はその半年前に“三模三電”改善策を発表、加点幅を20点から10点に縮小し、種目・対象競技会・順位を絞り込み、また2級以上のスポーツ選手証明書の取得を義務付け、資格認定も省体育局のみとして、2010年入試では該当者が2009年の600人ほどから100人ほどに圧縮される、という見通しを立てていたのですが、見事に裏切られたわけです。理由は簡単で、“三模三電”は短期講習で用意に目標をクリアでき、講習会も花盛り。競技会の数が多い上に、一つの競技会で優勝者が何名もいたり、替え玉も横行しています。これでは該当者が減るわけがありません。
インチキは“三模三電”だけではありません。スポーツ選手証明書の不正取得も多く、実技をやらせてみると全く走れない陸上選手も---。その原因はこれらを認定する権限が少数の人に限定され、そこにコネや裏口が殺到しているからなのです。陝西省では2004年に大量のニセ証明書が発見され、翌年から2級資格を対象外としましたが、2006年には湖南省で1000名にも上るこの種のインチキが発覚しています。
象徴的なのが2010年1月の厦門マラソン事件。引率教師と父兄が結託し、替え玉選手に一人数千元渡して不正を行ったことが発覚、30人が記録を抹消されました。そのうち最も多かったのが山東省東方中学(架空)の8名。替え玉は青島のある大学の選手で、ブローカーの存在も明らかになりました。マラソン替え玉事件は2007年の北京マラソンや2009年の上海マラソンでも出現しています。これが武術や新体操など採点形式の競技になれば、不正の入り込む余地は一層高くなります。同じ事はスポーツ以外の“三好学生”や“学生幹部”への加点でも起り得、これらの項目を取り消す動きも出ています。各大学の独自入試が解禁になり、増加傾向にありますが、自立的なチェックが可能かは大きな課題になるでしょう。

テーマは高まる庶民の人権意識です。

三瀦先生のコラム