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第467回2010年の中台関係−ECFA他
(2011年5月16日)
2010年の中台関係ビッグニュースといえばまずECFA(両岸経済協力枠組み協議)が挙げられるでしょう。6月18日から福建省で第二回海峡フォーラムが開催され、20余りの活動が盛大に繰り広げられましたが、直後の6月29日には重慶で海峡両岸関係協会と台湾海峡交流基金会の首脳会談が開かれ、ECFAが正式に調印されました。双方はWTOの基本原則に則り、段階的に貿易・投資上の障害を取り除いて双方の経済協力メカニズムを構築すること、まず部分的に関税上の優遇措置を実施し、サービス貿易も開放することとし、併せて知財権保護の面でも協力しあうことになりました。これを受け、10月には台湾に対し5項目のサービス貿易開放措置が実施され、2011年1月からは539項目の台湾製品が優遇関税の対象になりました。
両岸の交流は各方面で進んでいます。金融面では同年2月に台湾銀行の事務所が上海に開設され、7月には中国人民銀行が中国銀行(香港)に台湾人民元による決算を許可、2009年に台湾で使用が許可された銀聨カードの台湾ATMでの取り扱いも始まりました。更に9月には台湾資本の4銀行が大陸での支店開設を許可され、台湾資本の保険会社も11月に厦門で開業しました。
航空関係では6月に民航空局が、厦門・福州と台湾との直行便を週20便開設することや貨物便の増便、飛行場の建設などを含む、海峡西岸経済圏と台湾の航空輸送発展に関する7か条の措置を発表しました。2008年7月の観光解禁から2010年7月までの2年間で台湾を訪問した大陸側の観光客は133万人を超え、一人当たりの消費額は1800ドル、総合経済効果は26億ドルに上っています。5月には北京の西長安街に500メートルの台湾街がオープン、台湾会館も復活しましたし、台湾海峡両岸観光協会北京事務所と台北事務所もそれぞれオープンしました。
人材交流も活発化、南開大学や清華大学が台湾の学生を受け入れ、同年3月には台湾住民が初めて大陸の弁護士資格を取り、また12月には七つの弁護士事務所が大陸での開設許可を得、最高裁は台湾住民の訴訟の権利も認めました。両岸では両岸の語彙の違いを克服すべく辞書の編纂も企画されるなど、学術・文化交流も進んでいます。