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第473回ネット商取引の発展
(2011年6月20日)
中国人インターネット情報センター(CNNIC)が発表した<第27回中国インターネット発展状況統計報告>によれば、中国のネットユーザーの数は2010年末で4億5700万人(普及率34.3%)、携帯ネットユーザーも3億300万人に達しています。
こうした中、2009年来の特徴として、ネット使用目的が娯楽型から消費商用型へ急速に変化している事が挙げられます。2009年、中国のネットショッピング市場は前年同期比93.7%増で2586億元を記録、ユーザー数も1億人(前年比45.9%増)を突破、2010年は上半期だけで2009年分に迫り、ユーザー数も1億4200万人に増えました。ネット商取引額の年間増加速度は社会消費品小売総額の6倍以上に達し、今後数年で5%前後を占めると予測されています。こういった情況下で、2010年の全人代における首相の政府活動報告に初めて「積極的に電子商取引を発展させる」と言う項目が組み込まれた事は当然と言えましょう。
2010年は“你团了吗?”「“団”した?」が流行語になり、“団購”元年と言われました。集団購入で安く買えるのが人気のこの消費形態は北京が発祥の地と言われ、あっという間に全国に広がりました。2010年上半期、全国に900以上の専用サイトが出現、同年末にはユーザー数が1875万人に達し、インターネット大手もほとんど全て参入しています。
ネットショップは店の家賃や販売経路の中間マージンを節約できるため価格が安く、売る側にとっても業界大手に対抗できる宣伝効果とユーザーの口コミ効果が期待できる大きなメリットがあります。その点、中小企業にとっては天与の好機で、そのネット参入率はすでに92.7%に達し、42.1%が商取引や営業に活用し、このような動きは農村にも急速に広がっています。
その一方で、ネットビジネスのモラルハザードも大きな問題になっています。政府は2010年7月に<ネット商品取引と関連サービス行為管理暫定規則>を実施、該当者はサーバー経営者に姓名・住所などを提供、営業許可を取得した場合はホームページ上にそれを明示する事を義務付けました。実名登録に違反すると、1〜3万元の罰金が科せられます。その後、10月には商務部が初の<電子商務信用認証規則>を発布し、まず29のサイトが認証を受けましたが、税制の整備も含め、この新興ビジネス形態にはより迅速な対応が求められています。