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 第499回自動車産業再点検−合併号1−

(2011年12月26日)

2010年、中国の自動車生産台数は1826.47万台(前年同期比32.44%増)、販売台数は公称1806.19万台(同32.37%増)に達し、2年連続世界一の生産国・新車販売国になりました。マイカー保有台数も6539万台に達しましたが、急激な自動車の普及は、例えば2010年の石油輸入量は52%に達し、2011年には55%が見込まれるといったエネルギー問題を、また、環境問題・道路の渋滞なども引き起こしました。
2011年に入り、1.6リットル以下の車(2010年乗用車市場の70%)に対する税の減免措置(2.5%)が廃止され、北京市はプレートナンバー取得制限措置を発動、杭州・武漢・広州などの都市への波及も取沙汰されました。他方、買い替え補助は2010年5月で廃止され、省エネ補助(3000元)、自動車下郷政策も無くなり、ガソリン価格も上昇していることから、同年の販売増加率については、これまでの30%前後から10〜15%前後に落ち着くだろう、と予測され、同時に2011年の課題として、製品構成や市場構造の調整、小型排気量・環境省エネ型自動車の開発、第2〜4ランクの都市の需要の掘り起こしも提起されました。
こうした中、2011年1月は生産・販売台数ともに前年比11.33%・13.81%増だったものの(販売台数増は、2010年の実数が1850万台−公式統計は1806万台−あったのを、各メーカーが1月に付回した事も含む)、前期比では販売が13.67%(乗用車16.71%、商用車4.89%)増加した一方、生産は3.58%減少、特に排気量1.6リットル以下の販売増加率が全体のそれを下回り、中国自主ブランド車は前月比・前年比ともに鈍化しました。
中国自主ブランド車は、2009年の<自動車産業調整新興プラン>で「2011年販売シェアが乗用車市場の40%」と目標を定め、2010年に45.6%と繰り上げ達成、更に第12次5カ年計画では2015年に乗用車市場の50%を占める計画でしたが、初年度で早くも黄信号が灯り、その後も続落、7月には36.13%に落ち込みました。
自主ブランドを旗印とする中国系企業はここ数年、数量の増加速度に執着し、技術開発による競争力のアップや利益率・サービスの向上を疎かにしており、そのツケがでたのです。最近、中国企業も特許取得数が急増していますが、外観設計が多く、核心技術は寂寥たるものがありました。

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