企業向け中国語研修をリードするGLOVA China

ビジネスコラム|現代中国放大鏡

トップ > 現代中国放大鏡

Last Update:

 第五十回  自動車業界最新事情その2

(2002年9月30日執筆)
2002年11月、加筆修正いたしました。

今年の6月6〜13日、北京で、中国のWTO加盟後最初の大規模な国際モ−タ−ショ−が開催されました。中国メディアが“来るべきメ−カ−は全部来た”と豪語したように、24の国や地域から1200あまりの関係企業が参加、8万㎡のホ−ルには550種以上の自動車が展示されました。
 急速に拡大する中国の自動車市場に向けて、各社とも投入車種、販売価格などで熾烈な戦いを繰り広げています。乗用車について見てみると、今年、1月〜7月の各メ−カ−のシェアベスト8は以下の通り。(経済日報2002.8.21より)

1 上海大衆(SVW) 25.6%
2 一汽大衆(FAW−VW) 18.8%
3 天津夏利(XILI) 9.1%
4 上海通用(GM) 8.5%
5 奥拓汽車(ALTO) 8.2%
6 神竜公司(CITROEN) 7.1%
7 広州本田(HONDA) 5.2%
8 安徽奇瑞(CHERY) 4.7%

 自動車業界は、今、陣取り合戦の真っ最中。国内国外メ−カ−入り乱れての合従連衡は激しさを増すばかりです。中国政府は、一汽、上汽、東風の3大メ−カ−を再編の主軸に据え、中小の特色あるメ−カ−や外国の有力メ−カ−との提携を推進しています。  
一汽はフォルクスワーゲンと合弁、また8/29にはトヨタとの合弁に調印しました。トヨタは2000年に天津汽車と提携していましたが、今回、一汽が天津汽車を傘下に置き、日中トップメ−カ−の提携が成立したのです。 東風はプジョ−-シトロエングル—プと合弁、9/19には日産との包括提携に踏み切りました。日産が1200億円を出資、合弁会社は東風の主要事業をほぼそっくり引き受け、乗用車、トラック、バスなど、複数車種を生産していく計画です。一方、上汽もフォルクスワーゲンとの合弁に加え、この6/4にGM、五菱と提携、小型車から高級車までの一貫した生産体制を整えました。
提携は巨額の開発資金の調達や、常々指摘されていた小企業乱立による地方保護主義や重複生産による弊害の是正に有利です。国境を越えたこれらの再編は、中国自動車業界の行方に新しい展望を切り開くものでしょう。

三瀦先生のコラム