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 第502回新しい国土整備計画の動向−その1−

(2012年1月16日)

中国は、ここ10数年の急速な各経済圏の発展によって全土が一つの経済圏を形成する勢いで、発展著しい交通インフラを踏まえて物流網が整備され各地域間の連携が進むと同時に、各地域がそれぞれの地域的特性と利点を踏まえた発展プランを続々と実行し始めました。しかし、それは独自性の追求と共に機能や設備の重複による無駄も惹起しました。
例えば、各地域の主要都市が我こそ金融センターたらんとし、全国で既に30の金融センタープランが提起されているとのこと(2011.7.20人民日報)。例えば華東地域だけでも上海・寧波・福州・済南・杭州・南京・南昌・合肥と8都市が名乗りを上げています。勿論、中国は平均すれば一つの省が日本一国にも相当する面積ですから、それぞれに経済の中心都市はあってしかるべきですが、国際的なセンターと全国レベルのセンターと地域レベルのセンターとしての機能区分を明確にしなければなりません。
同じ事が国土の利用についても言えます。それぞれの地域の特性を生かさずに、我も我もと似たような工業化や農業生産に走っては無駄が多すぎます。そこで政府は2011年6月に13章に上る膨大な“全国主体功能区规划”「全国主体機能計画」(“国发[2010]46号”)を正式に配布しました。これは中国の社会・経済の今後の長期的発展を見据えた総合プランで、各地域の特性を踏まえたこれほど綿密な国土発展プランは初めてであり、その意味では歴史的意義を有するといっても過言ではないでしょう。
その主要コンセプトは、まず、全国を都市化地域、農産物主要生産地域、重点生態機能地域の3つに分け、それぞれの主体機能を「工業品やサービス品の提供」「農産物の提供」「生態製品の提供」と位置づけ、また、都市化地域は最適化開発地域と重点開発区域に、農産物主要生産地域と重点生態機能地域は開発制限地域と開発禁止区域に分けられています。
この計画は、各地域の自然や資源環境、地理的要因、インフラ整備状況、人口の量と質の分布など様々な要因を加味して決定されたもので、これに基づき「異なる発展目標」「異なる発展方式」「異なる発展評価方法」「異なる都市化プラン」が模索されると同時に、異なる地域の住民に対し、均しく十分な社会保障と豊かな生活が保証されなければなりません。計画の更に詳細な内容紹介は次回に。

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