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 第510回2011年人民日報日本関係記事−その1−

(2012年3月12日)

2011年の日中関係記事といえば、東日本大震災に関する記事が圧倒的に多いのは当然でしょう。2011年12月31日の人民日報掲載の2011年世界10大ニュースでは「大地震が津波と放射能漏れという複合型災害を惹き起し日本を深く傷つけた」が第三位にランクされました。
地震発生当日、温家宝首相は間髪を入れず日本政府と国民に宛てお見舞いの言葉を伝え、外務省のスポークスマンは「直ちに日本に対し救援隊と医療チームを派遣する用意がある」と表明、翌日の3月12日の人民日報には、于青、崔寅両記者署名のルポ記事とともに名取市を津波が襲う生々しい写真が掲載されました。
13日、15人の救援隊が羽田に到着して岩手に向かい、翌14日には中国からの救援物資第一陣が東京に到着、また、同日、医療衛生救援チームも結成されるとともに、胡錦濤主席が天皇陛下にお見舞いを伝え、日本国民が1日も早く困難を克服し、国土を再建するよう祈るとともに、犠牲者に対し深い哀悼の意を表しました。胡主席はその後18日には自ら日本大使館を訪れ、震災の死者に対し弔問の意を表しています。16日、中国政府は日本政府の要望に応じてガソリンなど2万トンの援助も決定、華為・中遠・中国銀聯なども続々と義捐金を申し出ました。
日本側を感激させたのは、原子炉の注水に苦慮する現場に中国の三一重工が62メートルの注水車を寄贈したことでしょう。同月25日には日本に到着、瀬戸際に追い詰められていた日本国民にとっては何よりの朗報になりました。こうした中国側のすばやい対応に対し、多くの日本国民は心から感謝し、4月11日付の人民日報には、「紐帯」と題した菅直人首相名による感謝の記事が人民日報に大きく掲載されました。
その一方で、在日中国人の救出と共に、放射能漏れに対して中国側も大きなショックを受け、日々の推移に固唾を呑みつつ、影響を心配する国内に対する説明に明け暮れました。日本からの食品も4月10日以降、1都11県からの輸入が禁止されました。震災の日本経済、更にはアジア、世界経済に対する影響が論じられ始められたのもこの頃です。
5月21日、第四回日中韓首脳会議に出席するため来日した温家宝首相は被災地を訪問、この訪問にまつわる日本人小学生との手紙のやり取りは心温まる話題として紹介されました。

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