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第513回辛亥革命100年の評価
(2012年4月2日)
昨年2011年は辛亥革命100周年。10月9日には北京の人民大会堂で盛大な記念大会が挙行され、胡錦濤主席はその講話で、「孫文は偉大な民族英雄、愛国主義者、中国民主革命の先駆者で、封建専制統治に対し戦いの旗を高く掲げ、三民主義(民族・民権・民生)を提起し、率先して“中華振興”を提唱した」と讃え、辛亥革命は「清朝の統治を覆し、数千年の君主専制政治を終焉させ、民主共和の理念を広め、近代中国の社会的変革推進に深い影響を与え」「一方では、歴史的、社会的条件の下で、半植民地半封建的社会や人民の悲惨な境遇は変革できず、民族の独立と人民の解放は未完成だったが、真の近代民族民主革命の道を切り開き、中華民族の思想解放を最大限に推進し、中国が進歩する扉を開けた」と評価しました。
こういった中、人民日報には辛亥革命の意義を論じた多くの文章が掲載されました。歴史学者章開沅は「3つの100年を重視すべきだ。辛亥革命勃発の背景となった100年、革命から今日までの100年、これからの100年だ」と分析していますが、「辛亥革命」「新中国の誕生」「改革開放」を3つの歴史的変革と捉え、孫文の“革命尚未成功,同志仍需努力”という遺嘱をこのプロセスで位置づけ、目的達成と言う面では道半ばだったが、それを共産党が引き継いで発展させた、との見方が大勢を占めました(<辛亥革命百年的历史思考>(李文海9/20など))。<开启民族复兴的百年征程>(任种平10/8)は同様の観点から、それぞれの特徴を“开天辟地”“改天换地”“翻天覆地”と表現し、具体的には「辛亥革命は三民主義から“德先生(デモクラシー)”“赛先生(サイエンス)”へ、新中国の誕生は“拼将热血筑长城”から “中国人民站起来了”へ、改革開放は“发展是硬道理”から“以人为本的科学发展观”へと発展させた」と論じ、また「辛亥革命は中国人の精神世界に大きな変革をもたらし、思想・言論・出版の自由など、自由の風潮で一世を風靡した」とも分析しています。
<辛亥百年感言>(朱鉄志10/8)は李維漢の言を引いて「現段階でも封建的残滓の除去が不徹底である」と警告を鳴らしていますが、<盘点辛亥,要看「三个百年」>(章開沅10/11)も、共和国と言う概念がまだ末端の民衆には理解されていない事実を指摘すると共に、「今後の100年はグローバルな観点から平和的発展を目指し、環境保護・エネルギーなど人類文明の存亡に関わる分野で大国としての責任を果たす事が求められる」と結んでいます。