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 第519回黄河中上流地域の発展計画

(2012年05月21日)

黄河中上流地域はユーラシアランドブリッジの中心に位置し、東西南北をつなぐ戦略拠点。2009年、国務院は『関中—天水経済区発展プラン』を発表、成渝、環北部湾と並ぶ重点経済区、西部大開発を牽引する戦略的要地』と位置づけました。その範囲は陝西省の西安・銅川・宝鶏・咸陽・渭南・楊凌と商洛市の一部の県、および甘肅省天水に跨り、総面積は七万九八〇〇平方キロメートルになります。
同経済区は全国に先駆けて「全国科学技術資源統一計画改革模範基地」に指定され、「全国内陸型経済開発開放戦略拠点」「全国先進製造業重要基地」という役割も賦与され、新素材、新エネルギー、省エネ環境保護など戦略的新興産業の領域で、100のイノベーションプラットフォーム、20の特定産業別工業パーク、20の産業集積が推進されています。
同経済区の重要ポイントは西安と咸陽の一体化、西咸新区の建設で、2011年8月に実質的建設が始まりました。西安地域は国の重要科学技術研究開発センター・地域商業貿易物流展示センター・地域金融センター・全国重要ハイテク産業・先進製造業基地としての役割を期待され、西安を中心に1時間交通圏、2時間交通圏が形成されつつあります。
陝西省の交通インフラ建設も急ピッチで、農村自動車道路は2010年までの5年間で11万キロを整備して全国に先駆け村々通が実現、2011年9月には新省内自動車道路整備プランも発表され、2015年には高速道路が5000キロに達します。また、西安−鄭州間高速鉄道も開通、西安咸陽国際空港も大拡張で年間3100万人の乗降が可能になりました。
このほか、寧夏回族自治区では、同自治区内の黄河沿い397キロに連なる銀川・石嘴山・呉忠・中衛を網羅した『沿黄経済区』プランが、2010年に国務院により正式に国家重点開発区域に指定されました。地域の商業貿易物流の中心、エネルギー化学工業と新素材産業での全国レベルでの重要な基地として、その役割が注目されています。更に、寧東−オルドス−楡林地域はエネルギー資源が豊富な「黄金の三角地帯」として開発が期待されています。
甘粛省も、2009年に国務院によって<甘粛省循環経済総合プラン>が承認され、7大循環経済基地を建設、72の循環経済重点支援プロジェクトを実施して、2015年には全国循環経済発展展示モデル地区になることを目指しています。

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