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 第521回外資政策の動向

(2012年06月04日)

2011年12月に国家発展改革委員会と商務部は改訂版<外商投資産業指導目録>を公布、2012年1月30日から施行しました。同目録は1995年に最初に公布された後、2002年、2004年、2007年と改訂を重ねていました。周知の通り、この目録には、許可類を除く“鼓励”(奨励) “限制” (制限)・“禁止” (禁止)各類の該当分野が記載されています。
今回の改訂の趣旨について、当局は以下のように説明しています。
①奨励類を増やし、制限類、禁止類を減らし、外資に対して門戸を一層開放した。②投資比率制限がある項目を11減らした。③ハイエンド製造業を重点奨励項目とし、従来型産業の高度化を図る。④循環型経済への投資を奨励し、廃棄家電や電池などの回収処理を加える。⑤完成車の製造を奨励類から削除する。⑥七大戦略的新興産業への投資を奨励する。⑦サービス業の発展を促進する。⑧地域別発展を図るため、地域別産業誘導政策を実施する。
こうしてみると、今回の改訂が第12次5カ年計画と表裏一体を為し、全国主体機能計画
や七大戦略的新興産業振興による産業構造の転換などとパッケージになってていることは一目瞭然です。国務院は既に2010年に「外資をより上手に利用する事に関する意見」を発表、外資にも持続可能な発展を重視させ、生産能力過剰分野へは投資を制限し、地域的には中西部地域に投資をより多く誘導し、また、M&Aによる投資を奨励する環境を整備する事を表明しました。その具体化が2011年に公布された<外国投資者国内企業M&A安全審査制度に関する通知>です。2010年に外国からの投資額が1000億ドルを突破したものの、そのうちM&Aによる投資は僅か3%。同年、世界では直接投資の70%以上がM&Aによる投資だったのですから、その差は歴然としています。こうしたプロセスを経て、2011年9月1日に商務部による上記制度の規定が正式に実施の運びとなりました。
ここ数年顕著なのがサービス業における外資の増加で、その伸び率は製造業を上回り、実際の額でも2011年には製造業を上回りました。同年、世界の有力企業500社のうち470社が中国進出を果たし、進出外資企業は総計73万社に達し、中国の輸出入の半分以上、就業の7分の1、税収の5分の1を担っています。中国経済が外資無しでは考えられないのは、自明の理と言えましょう。

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