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 第548回整風への取り組み−公費の無駄遣い

(2012年12月10日)

2012年7月19日以降、中央の各部門は次々と2011年の各部門の決算報告を公開、それと同時に、いわゆる“三公経費”(公務出国費・公用車の配備と運用費・公務接待費)と行政経費のデータを公開し始め、初日だけで92の部門が公表を終えました。こうした背景には、行政部門の公費使用に関する乱脈振りに対する庶民の根強い反発があります。先頃誕生したばかりの習近平政権で、習近平総書記自らが率先して質素倹約振りをアピールしているのも、その危機感のなせる業でしょう。
2011年の“三公経費”向け財政支出は総額93.64億元(公務出国費19.77億元、公用車の配備と運用費59.15億元、公務接待費14.72億元)で、それに対し2012年予算は総額79.84億元(公務出国費21.45億元、公用車の配備と運用費43.48億元、公務接待費14.91億元)に減額されました。特に公用車関係の削減が際立っています。中国ではこれまで幹部が公用車を私用で使うのはごく一般的現象で、観光地や展示会などもほとんど顔パスでした。
8月1日付人民日報は「“公開後”は“公開”よりもっと重要だ」として、そのコンセプトと基準を明確化し、疑問に対しきちんと説明することを求め、また、公開は手段であり、規制するという目的の達成が重要であり、中央が率先し地方がこれに倣う姿勢が必要だ、と力説しました。また、他山の石として、日本では「中央政府や地方政府が国会や地方議会に経費の使用状況を報告すると共にネット上で公開し、野党や市民のチェックを受ける」「地方政府の公用車は上下水道、教育、総務など実務需要の高い部門に配置されている」「一部の儀礼的接待を除き、公費接待は無く、参加者は食堂か弁当で済ませ、会食は割り勘になっている」などと紹介しています。
2012年年初、人民日報に<关注公款吃喝>(公費による飲み食いに注目)という記事が連載されました。例えば第四回(1月31日付)では、「来客6人にお相伴が10名」「同窓会の経費を公費で」といった実態のほかに、「視察があるというので高級レストランを予約したら、視察側から、職場の食堂で従業員と会食する、と通知された。そこでやむを得ず食堂に金をかけ、高級料理を並べた」といった“下有对策”エピソードも掲載されました。また、6月からは<晒晒“公家”的铺张浪费>(役人の浪費を暴く)といった連載も始まっています。

三瀦先生のコラム