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 第549回整風への取り組み−項目別実態

(2012年12月25日)

では、是正すべき問題とは、一体どんな項目があるのでしょうか。まず、“三公経費” で最大の削減標的となった公用車の問題があります。公用車の私用を取り締まるため、2012年初頭、青海省は85の直属機関にブルーの統一ステッカーを貼る事を義務付けて相応の成果を挙げ、同様の試みが各地に波及しています。江西省では同年の春節に際し、主要メディアに公用車違法使用に関する市民通報コーナーを設け、2月6日までに22件の不正使用を摘発し、四川省南充足市・浙江省温州市・遼寧省瀋陽市などは公用車にGPSを採用しました。また、公用車が多すぎる、と江西省南昌市では局長級用公用車は二人に一台と規定、広東省のある県では196台を売却処分、これに倣う自治体も増えています。一方「自動車の代わりに公用自転車を」という試みも始まり、山東省済南市では公用車の購入をやめて、各県や区に公務自転車の普及を勧めています。
海外視察は公費の乱用で常に槍玉に挙がる項目で、最近は取締りも厳しくなっています。2012年2月、河南省は公費海外観光厳禁に関する会議を開き、「省直轄市委員会書記の出国は、事前に省委員会書記に対し書面で申請し許可を得る」事、また、ネット上で公開して周知する事としました。勿論、海外視察に関する取り締まりは今に始まった事ではなく、政府も度々警告を発していましたが、これに対し、様々な“”改頭換面した“対策”も巧妙化し、なかなか効果が上がっていません。  
公費を様々な手法でちょろまかして手持ち資金として溜め込む“小金庫”も盛ん。2010-2011年の3年間に全国で摘発された“小金庫”は110万の部署で60722件、315.86元に達し、連坐した者10429人、多くが党や政府の末端期間で発生しています。勿論、これも氷山の一角でしょう。
公費の乱用の一つ、不相応な豪華な建物の建設は常々紙上を賑わし、枚挙に暇ありませんが、公費による盛んなぜいたく品の購入には、「権力者におもねって様々な便宜を図ってもらおう」という別の側面も垣間見られます。毎年、中秋節や春節には桁外れに豪華な贈答品が問題になり、最近では、“高价礼品回收”「贈答品高価買取」の看板を掲げる商売も盛んになっている事は、とりもなおさずその市場の大きさを裏付けています。

三瀦先生のコラム