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第五十五回 行政サ−ビスの動向-実例紹介その1-
都市の近代化とそれに伴う市民生活のレベルアップ、“小区”（団地）と呼ばれる新しい住居環境の出現と住民の権利意識の向上は、行政に対しても、否応無く相応の行政サ−ビスを求め始めています。既に、“政務公開”（行政のディスクロ−ジャ−）や“聴証会”（公聴会）などが行われるようになり、“知情権”（知る権利）と言う言葉も定着しつつあります。一頃では考えられなかった“民告官”（市民が行政を訴える）、とか、国に賠償請求するといった現象も垣間見られるようになりました。そこで、これから2回にわたり、近代化が最も進んでいる都市のひとつ、大連市の行政サ−ビスの内容をご紹介しましょう。
大連市沙河口区公共行政サ−ビスセンタ−は４階建てです。その中身は以下の通り。
1階：婚姻届、身障者証明、失業証明などを行う社会事務サ−ビス部門。
2階：国内外の投資者が同区内で行う投資事業の許認可、商工業経営登録など、
企業の市場参入を扱う経済サ−ビス部門。
3階：行政の透明度を高めるためのディスクロ−ジャ−とチェックを扱う部門。
4階：市民からの苦情処理や市民への情報サ−ビスを行う部門。
従来の煩瑣な行政事務との画期的な違いは、「1つの窓口で、一回ハンコを捺せばその日のうちに手続きが終わり、勝手な名目をつけた余計な費用も徴収されない」という点。その掲げるモット−は“以人為本” “以企業為本”です。
社会事務サ−ビス部門を覗くと、この中には7つの局がありました。まず、その名称と主な仕事を3つまで挙げてみましょう。詳しくは次回に。
- 身障者関係：＜身障者証明書＞＜無料バス乗車証＞＜就職のサポ−ト＞
- 計画出産：＜一人っ子父母栄誉証＞＜出稼ぎ労働者結婚出産証明＞＜関連政策情報＞
- 公安：＜戸籍政策情報＞＜住民身分証の管理＞＜出稼ぎ労働者暫定居住証＞
- 交通大隊：＜道路の使用許可＞＜プレ−トの交付＞＜車検＞
- 労働社会保障局：＜失業証＞＜失業保険金＞＜個人身上書の管理＞
- 民生局：＜結婚離婚届け＞＜民族、宗教管理＞＜ＮＧＯ登録＞
- 公証処：＜経済的契約＞＜民事＞＜財産相続＞
