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第562回エイズへの新しい取り組み
(2013年03月25日)
2012年1月13日、国務院から<中国エイズ抑制・予防治療第12次5カ年計画行動計画>が通知されました。同年はこれを受け、一級行政区だけを例にとっても、2013年にかけ、 既に行動計画を立ち上げていた上海市の他に、新疆ウイグル自治区・陝西省・安徽省・四川省・湖北省・湖南省・甘粛省・広西チワン族自治区・北京市・天津市・江西省などが続々とこれに基づく独自の地域計画を発表し、その他の地域も相応の対策に取り組み始めました。
第11次5カ年計画の最終年だった2010年の11月末、衛生部は中国のエイズ蔓延状況とその対策に関する状況を発表しました。それによると、2010年10月末までの累計感染者は370393人、そのうち患者数は132440人で、死亡者は68315人に達していました。ただ、前年比増加率は、2008年16.8%、2009年9.3%で、2010年には1%台まで低下していましたが、地域別にみると、河南省・広東省・広西チワン族自治区・四川省・雲南省・新疆ウイグル自治区の6省区で全体の77.1%を占めており、地域別対策の重要性が再認識されました。
これを受け、同月、国務院はエイズ対策に一層積極的に取り組み姿勢を示し、柱となる“四免一懐”(無料治療・投薬、無料相談・検査、母子無料投薬・検査、無料義務教育/国家による救済)の下、8項目にわたる政策措置を確定し、これが上記の第12次5カ年計画行動計画に繋がっていったのです。
同計画はまず現状として、男性同士の性行為による感染の上昇と配偶者間感染の増加、高止まりする母子感染率、治療薬に対する耐性菌の増加などを挙げ、各地の対策の手ぬるいことを厳しく指摘しています。そして、今後の目標として、2015年には上記重点地域での急増傾向を抑制し、2010年比で新規感染数を25%、死亡率を30%減らし、感染者と患者の総数を120万人以内に抑制することを掲げています。また予防知識の普及に努め、15-60歳の都市住民の85%以上、農村住民の80%以上に知識を普及させ、中学校以上のすべての教育機関でエイズ教育を行うとともに、すべての計画出産指導機関がコンドームを配布し、使用の普及に努め、95%のホテルなど公共の場所に自動販売機を設置することを求めています。このほか、過去、献血がもとでエイズが急拡大したことから、献血に対する管理も重要項目に挙げられています。政府のエイズ予防対策費は既に2011年で20億元の大台を突破しています。